MBD(Model Based Development:モデルベース開発)
MBD(Model Based Development:モデルベース開発)とは、一般には 1D-CAEなどのシミュレーションモデルを用いた事前評価を取り入れた開発のことを指す。
シミュレーションできるモデルに限らず、モデルを広義に捉えて、文書や図面ではない抽象化したモデル(要求や機能を表現したツリーやブロック図など)を共通言語として、段階的に詳細化・具体化しながら進める開発のことを指して使われることもある。その場合は、MBSEとほぼ同義。
MBDの主な目的は、具体的な形や寸法を決める前に、機能で考え、事前評価し、最適な特性値を見出すことにより、早期に素性の良い基本設計を行うことにある。それにより、従来の仕様に囚われない全体最適の観点での製品作りや、開発後半での手戻りの抑制などの効果が見込める。
MBDを成功させるためには、どのタイミングで・何のために・何の評価を行い、どういう段階を踏んで製品の完成度を上げていくのかといった、開発プロセス上でのシナリオを正しく設定し、社内の共通認識にすることが大事である。組織として大きな効果に結びつけるためには、そのような開発プロセス改革とセットで取り組むことが必要になる。