コーポレートガバナンス

基本的な考え方

電通総研は、「誠実を旨とし、テクノロジーの可能性を切り拓く挑戦者として、顧客、生活者、社会の進化と共存に寄与する。」というミッションのもと、迅速、公正かつ透明性の高い経営を遂行し、健全かつ継続的な成長を図るために、経営環境に応じたコーポレートガバナンスが重要であると認識しています。この基本的な考え方に基づいて、コーポレートガバナンスに関する電通総研の基本方針を「電通総研コーポレートガバナンス・ポリシー」として定め、取締役会が関連法令の改正や社会的・経済的な事業環境の変化等に応じて適宜見直すことで、より良いコーポレートガバナンスの実現に取り組んでいます。

コーポレートガバナンス体制

当社は、2023年3月24日開催の第48回定時株主総会において、定款の一部変更が決議されたことにより、同日付をもって監査等委員会設置会社へ移行しました。

取締役会および監査等委員会

電通総研の重要事項の決定および業務執行状況の監督を行う「取締役会」、経営監査の機能を担う「監査等委員会」を設置しています。取締役会は社外取締役6名を含む取締役9名で構成されています。社外取締役5名については、東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ており、取締役会における独立社外取締役の割合を過半数としています。監査等委員会は社外取締役3名(うち、独立役員2名)で構成されています。

指名・報酬委員会

取締役の指名および報酬等については、取締役会の下に任意の委員会として、委員長および委員の過半数を独立社外取締役とする「指名・報酬委員会」を設置しています。同委員会では、取締役の選任・解任および代表取締役等の業務執行取締役(最高経営責任者含む)の選任・解任、ならびに取締役(代表取締役を含む)の報酬等に関する事項につき、検討・意見交換を行っています。

執行役員

執行役員制度を導入し、業務執行機能の強化を図っています。また、業務執行を行う取締役は、すべて執行役員を兼任することとし、一層の意思決定の迅速化および業務執行責任の明確化を図っています。

経営会議等

その他の会議体として、経営の意思決定のさらなる迅速化と業務の効率化を図るため、取締役会決議事項以外の経営上の重要事項を決議し、かつ、取締役会決議事項を事前審議することを目的とした「経営会議」を設定しています。経営会議は取締役会の決議により執行役員の中から選ばれたメンバーと常勤の監査等委員である社外取締役で構成され、社長執行役員が議長を担っています。
他に、サステナビリティ方針のもと、当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みを総合的に推進すること、および、当社グループのリスクに関する情報を集約し、全社的な観点からリスクの重要度に応じた対応を推進することを目的に「サステナビリティ推進会議」を設置しております。

電通総研のコーポレートガバナンス体制は次のとおりです。

体制図

取締役会ならびに指名・報酬委員会の開催および出席状況

地位 氏名 取締役会 指名・報酬委員会
代表取締役社長 岩本 浩久

-

-

取締役 大金 慎一

9回/10回
(90%)

-

取締役(社外・独立) 一條 和生

11回/13回
(85%)

3回/3回
(100%)

取締役(社外・独立) 髙岡 美緒

13回/13回
(100%)

-

取締役(社外・独立) 和田 知子

10回/10回
(100%)

-

取締役 松本 千里

-

-

取締役(監査等委員・常勤)(社外) 関口 厚裕

13回/13回
(100%)

-

取締役(監査等委員)(社外・独立) 村山 由香里

12回/13回
(92%)

3回/3回
(100%)

取締役(監査等委員)(社外・独立) 笹村 正彦

13回/13回
(100%)

-

  • 出席回数は2023年1月~2023年12月の実績
  • 岩本 浩久および松本 千里の両氏は新任(2024年3月より)

スキル・マトリックス

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の実効性を向上し、持続的な企業価値の向上を実現することを目的として、2016年度から取締役会全体の実効性に関する評価を毎年実施しております。

前回の実効性評価で抽出された課題と取り組み

  • 取締役会メンバーに対する、指名・報酬決定プロセスに係る情報共有の強化
    取締役会および監査等委員会に対して、指名・報酬委員会の資料や議事録の概要を適時に開示することとしました。
  • 実効性評価に対する客観性のさらなる向上
    今回の実効性評価では、従来から実施していたアンケート調査に加え、後記のとおり、外部有識者により全取締役に個別インタビューを実施し、その結果も踏まえ、取締役会にて実効性に関する意見交換を行いました。

今回の評価方法の概要

実施時期 2023年10月~2024年2月
対象者 監査等委員を含む全取締役(9名)
対象プロセス ① 記名式アンケート調査(5パート全22問)
   (主な評価項目)
 ・取締役会の構成と運営
 ・中期経営計画と予算、サステナビリティへの対応
 ・企業倫理の遵守とリスク管理
 ・経営陣の指名・報酬と評価
 ・株主との対話
 ※設問ごとに5段階評価を行うとともに、パートごとに設けた自由記述欄にコメントを記入
  ② 外部有識者による全取締役への個別インタビュー
  ③ 外部有識者による分析・調査レポートの取り纏め
  ④ 取締役会における意見交換(上記の外部有識者を交えて実施)
  ⑤ 取締役会における2023年度の取締役会の実効性評価の決議

今回の評価結果の概要

評価の対象としたすべての項目で有効もしくは概ね有効との評価であることから、当社の取締役会全体の実効性は確保されていると評価しています。また、自由闊達な雰囲気の下で活発な議論が行われている点、および社外取締役について属性、専門領域、ジェンダー等の面で多様性が確保され、取締役会が多角的な視点から審議を行うために必要な体制が確保されている点等について、肯定的に評価する意見が挙げられました。
 他方、次の事項については課題として認識し、取り組みを進めてまいります。

  • 取締役会内外でのコミュニケーションのさらなる活性化
    取締役会またはそれ以外の場において、社外取締役と経営陣や、社外取締役間で、以下の②③のテーマを含む中長期の経営課題について議論を行う機会を増加させます。
  • 中長期の戦略、特に戦略投資(M&A等)に関する議論の充実
    戦略投資(M&A等)に関する方針や検討状況について取締役会に適切に報告を行い、より一層の議論の充実を図ります。また、次期中期経営計画の策定プロセスでは、社外取締役へのヒアリングや取締役会での複数回の検討を行い、社外取締役の視点も交えて方向性を議論します
  • 指名・報酬に関する取締役会の監督体制の強化
    取締役会において、指名・報酬に係る課題や指名・報酬委員会の活動計画等の情報共有を推進し、指名・報酬決定プロセスの透明性の向上を図ります。

当社は、取締役会の実効性の向上に向けて、課題への対応を含む改善活動に今後も継続的に取り組んでまいります。

電通総研のコーポレートガバナンスの状況については、東京証券取引所の規定に従い、「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」にて開示しています。

選任基準・独立性判断基準

  •  
    業務執行取締役候補者の選任基準
    • (1)
      当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図る観点から判断できること
    • (2)
      当社グループの業務に関し専門知識を有すること
    • (3)
      構想力、決断力およびリーダーシップに優れていること
    • (4)
      取締役としてふさわしい品位・品格、識見、人望および倫理観を有すること
  •  
    社外取締役候補者の選任基準
    • (1)
      経営、法律、財務・会計、情報技術、コーポレートガバナンス、リスク管理等の分野における豊富な経験または専門的な知識を有すること
    • (2)
      経営課題やリスクを把握する能力、モニタリング能力等に優れていること
    • (3)
      中立的な立場から、自らの意見を積極的に具申できること
    • (4)
      取締役としてふさわしい品位・品格、識見、人望および倫理観を有すること
    • (5)
      当会社の最高経営責任者(CEO)等からの独立性を保つことができること
  •  
    社外取締役の独立性判断基準
    当社は、当社の社外取締役(候補者を含む)が、東京証券取引所の定める独立役員の要件を満たすことに加え、以下の(1)から(3)のいずれにも該当しない場合に、独立性を有するものと判断する。
    • (1)
      当社の大株主(直接・間接に10%以上の議決権を保有する者)またはその業務執行者
    • (2)
      当社の定める基準を超える取引先(※)の業務執行者
    • (3)
      当社より、過去3事業年度のいずれか1事業年度において、役員報酬以外に1事業年度当たり1,000万円を超える金銭その他の財産上の利益を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合には、当該団体に所属する者をいう。)
    • 当社の定める基準を超える取引先とは、過去3事業年度のいずれか1事業年度において、当社との取引が当社連 結売上高の2%に相当する金額を超える取引先をいう。

取締役報酬制度

  •  
    基本的な考え方
    (報酬水準)
    当社の業績、当社取締役の担う責任と役割、取締役報酬の水準に関する各種のデータ等を勘案し、優秀な人材を確保できる水準とする。
    (報酬構成)
    業務執行取締役の報酬は、業績達成に向けた動機付けを考慮し、固定報酬、連結業績に連動する年次賞与および中長期の業績に連動する株式報酬により構成する。 業務執行を行わない取締役(監査等委員でない取締役と監査等委員である取締役の双方を含む)の報酬は、経営の監督機能を適切に果たすため高い独立性を確保する必要があることから、固定報酬のみで構成する。
    取締役の退職慰労金制度は既に廃止しており、今後も退職慰労金は支給しない。
    (報酬の決定プロセス)
    監査等委員でない取締役の報酬のうち、固定報酬および年次賞与については、客観性・透明性を確保するために、独立社外取締役が構成員の過半数を占める指名・報酬委員会での事前の検討を行ったうえで、株主総会にて決議された報酬総額の範囲内で、取締役会の承認に基づき決定する。株式報酬については、取締役会にて決議された株式交付規程の定めに従うものとする。
    監査等委員である取締役の報酬は、株主総会にて決議された報酬総額の範囲内で、監査等委員である取締役の協議により決定する。
     
    取締役の報酬等に関する株主総会の決議の概要

    2023年3月24日開催の第48回定時株主総会において、以下の概要で決議されています。

    (監査等委員でない取締役の報酬等)

    • 取締役賞与の額を含み年額400百万円以内(うち社外取締役分は年額50百万円以内。使用人兼務取締役の使用人分の給与は含まない)
    • 上記とは別枠で、業務執行取締役および執行役員を対象とする株式報酬を支給する。当該対象者への株式報酬の上限は、中期経営計画の対象期間(なお、最初の対象期間は、現中期経営計画の対象年度である2022年度から2024年度)毎に、19万5,000株以内、かつ、6億円以内

    (監査等委員である取締役の報酬等)

    • 年額50百万円以内
       
    業務執行取締役の報酬構成※1
    固定報酬 業績連動報酬

    役職位および役割に応じて月次で支給

    【年次賞与】
    連結営業利益(期初計画比および前年実績比)ならびに親会社株主に帰属する当期純利益(期初計画比)を指標として、それらの達成度に応じて業務執行取締役の月次固定報酬(内、兼任する執行役員部分)の合計額の0~4か月の範囲を総額として支給

     

    【株式報酬※2
    当社が設定した信託を用いて、信託期間中の毎年一定の時期に役位別月次報酬額を基礎として計算されるポイントを付与し、中期経営計画の最終年度の翌年の一定の時期に業績指標の達成度に応じて業績連動係数を決定する。これに中期経営計画期間中の累積ポイント数を乗じて、付与する株式数を算定し、支給

    • ※1
      報酬構成の割合は、年次賞与、株式報酬のそれぞれにおいて業績指標の上限値を達成した場合において、概ね、「固定報酬:年次賞与:中長期業績連動株式報酬=65%:17.5%:17.5%」とする。
    • ※2
      非違行為等が判明した場合、株式の交付等を受ける権利の全部または一部を喪失させる制度、および支給株式相当額の賠償を求めることができる制度あり。


       
    2023年度の報酬等の総額
    役員区分 報酬等の総額
    (百万円)
    報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる役員の員数
    (人)
    固定報酬 賞与 退職慰労金 株式報酬

    監査等委員でない取締役
    (社外取締役を除く)

    113 84 16 - 13 4

    監査等委員である取締役
    (社外取締役を除く)

    - - - - - 0

    監査役
    (社外監査役を除 く)

    5 5 - - - 1

    社外役員

    53 53 - - - 6
    • 注1.
      上記には、2023年3月24日開催の第48回定時株主総会終結の時をもって、任期満了により退任した取締役1名、監査役1名を含んでおります。なお、当社は2023年3月24日に監査役会設置会社から、監査等委員会設置会社に移行しております。
    • 注2.
      株式報酬の金額は、当事業年度において費用計上した金額を記載。
       

    内部統制

    電通総研グループは、「内部統制システムに関する基本方針」を定め、適切な統制のもとで業務執行が行われるよう、内部統制システムの整備・改善とその適切な運用に努めています。

    「内部統制システムに関する基本方針」については、以下をご覧ください。

    内部統制システムの運用状況の概要については、有価証券報告書にて開示しています。

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