アーキテクチャ
システムの概略構造あるいは基本的な骨組みを指して、アーキテクチャと呼ぶ。製品全体の概略構造であれば製品アーキテクチャ、ソフトウェアの構造であればソフトウェアアーキテクチャなどという使い方をする。一般的にアーキテクチャの記述にはシステムを構成するサブシステムの関係を示したブロック図を作成する。
近年、技術の進展による製品構造の複雑化にともなって、アーキテクチャはますます着目されている。従来は作り込み段階で挽回できた性能目標やコスト目標の達成が、概略構造の善し悪しに大きく影響され、挽回がきかなくなってきたからである。さらに、概略構造設計担当者と詳細設計担当者の分業も進んでおり、その媒体として、簡潔で詳細設計以降の生産性が高いアーキテクチャに対するニーズも高まっている。
これらの環境変化を背景に、技術者は、製品の使われ方などのユーザーニーズや要素技術の成り立ちから生産工程の作り方まで製品全体を視野に入れた幅広い知識が今まで以上に求められるようになり、概略設計の難易度が増している。そのため、アーキテクチャの可視化やレビュー、アーキテクチャ評価手法の導入、アーキテクトの育成などの取り組みが必要とされている。
電通総研では、アーキテクチャの効果的な可視化手法として、サブシステムが実現する機能を表現したDMM表を作成することを提唱している。また、アーキテクチャの拡張性や柔軟性を評価するための手法や技術者の多元的・本質的思考を強化する教育プログラムなどを提供している。