Ci*X Expense導入と業務プロセス改革により、経費精算業務全体の効率化を実現

  • 経営管理
写真左より 三菱商事株式会社 IT・AI戦略部 コーポレートシステムチーム 次長 橋本成美氏、三菱商事フィナンシャルサービス株式会社 アカウンティンググループ ゼネラルマネージャー 大津博幸氏、三菱商事株式会社 主計部 コーポレート部門管理・海外チームリーダー 岩永雅史氏、同チーム 次長 坂井裕之氏

幅広い産業を事業領域として、世界約80の国と地域、約1,100の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開する大手総合商社の三菱商事株式会社。
そんな同社において、社員が価値創出に注力できる環境整備に向けた業務プロセス改革の一環として2022年~2024年にかけて取り組んだのが、経費精算業務プロセスの見直しと新システムの導入プロジェクトでした。出向中の社員を合わせて約6,200人の社員が安定利用できることに加え、三菱商事独自の複雑な承認フローや海外駐在員による外貨精算への対応という要件があり、まずは、社内でBPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス再設計)に向けた業務の棚卸や整理を行いました。

システム導入プロジェクトのリーダーを務めた主計部 コーポレート部門管理・海外チームリーダーの岩永雅史氏は、当時を次のように振り返ります。
「システム化で意識したのは“Fit to Standard”の考え方。業務に合わせてアドオンを増やすのではなく、業務を見直し、できるだけ標準機能を活用することで、メンテナンス負荷が低く、継続利用しやすいシステムを構築したいと考えていました」。
Fit to Standardをコンセプトに複数のシステムとベンダーを比較した結果、電通総研が提供するグループ経費精算システム「Ci*X Expense(サイクロス エクスペンス)」の採用に至りました。
「結果としてアドオンを最小限に抑えつつ我々の要望に合ったシステムができ、業務改革を実現できました。大変満足しています」(岩永氏)

経費精算業務の効率化に向けた新システムの導入を検討

以前は海外から原本を郵送して経費精算をしていました。長い時だと2カ月かかっていた経費精算が一瞬でできるようになり、海外駐在員のストレスが軽減したと感じます

主計部 コーポレート部門管理・海外チーム 次長
坂井氏

「Ci*X Expense導入前は交際費精算、交通費精算などと申請種別ごとにフォーマットがあり、それをダウンロードして必要事項を入力して印刷、そこに領収書やタクシーチケットなどの原本を添付して回付していました。経費精算フローは最低でも4人の目を通さねばならず、その過程で差し戻しが発生することもあり、申請者にとっても確認者にとっても、手間も時間もかかっていました」と岩永氏。「社内からも『改善してほしい』という声が多く上がっていました」と振り返ります。

また国内だけでなく、海外拠点で働く駐在員の経費申請の一部も、同じ仕組みで精算処理を行っており、さらに時間がかかっていました。現在三菱商事の財務・経理・審査関連の機能分社である三菱商事フィナンシャルサービス株式会社に籍を置く大津博幸氏は、「遠方の拠点に勤務する方の場合は、原本を本社に郵送する必要がありました。原本が届くまでに時間を要し、処理を完了するまでに2カ月かかるケースもありました」と話します。

こうした処理を長年続けてきた背景には、同社ならではの高いガバナンス意識がありました。「不正を防止するため、証憑類は必ず原本で回付し、それを複数人がチェックし承認するという非常に保守的なプロセスになっていた」と岩永氏。そのため、システムへの移行を進められずにいましたが、新型コロナウイルスの流行や電子帳簿保存法などの施行を機に、2022年秋にBPRに向けた業務の棚卸と整理を行い、経費精算システムの導入に踏み切ることになりました。

ユーザビリティとシステムサポート力でCi*X Expenseを選択

毎月ダンボール数十箱分の経費精算書を倉庫に運んでいましたが、運搬業務や保管スペースの確保が不要になりました。稼働前の教育も手厚く、我々管理者側の習熟度を高めてくれました

アカウンティンググループ ゼネラルマネージャー
大津氏

経費精算システム検討にあたり、複数のシステムを比較検討したという同社。全世界に拠点を有するグローバル企業ということもあり、「外貨対応」「安定稼働性」「ユーザビリティ」を軸にして選定が進められました。

「当社には海外駐在員が多く在籍しています。ですから、国内だけでなく海外でも使えること、外貨計算に対応していることが、選定の要件として欠かせませんでした。また6,200人もの社員が集中利用した場合でも問題なく安定的に稼働すること、システムに不慣れな社員でも楽に使えることも重視していました」(岩永氏)

「これらの要件をすべて満たしていたのがCi*X Expenseで、特にユーザビリティについては、高く評価しました」と岩永氏は話します。

続けてIT・AI戦略部 コーポレートシステムチームの橋本成美氏は、「海外製のシステムでは、マニュアルがわかりにくい、日本仕様に最適化されておらず画面が見にくいといった課題もありますが、Ci*X Expenseはマニュアルレスの思想で作られたシステムだけあってわかりやすく、非常にユーザビリティが高いと感じました」と話します。

また、Ci*X Expenseと同時に導入する自動仕訳システム「Ci*X Journalizer(サイクロス ジャーナライザ)」により、会計仕訳の自動作成や会計システムへのデータ連携、人事システムなどの周辺システムとのマスタ連携を、回数やタイミングの制約なくノンプログラミングで実現できる点や拡張利用可能な点も評価されました。

機能だけではなく、システムサポート力の高さも電通総研を評価したポイントでした。
「電通総研なら当社と密にコミュニケーションを取ってシステム導入を進めてもらえるだろうという期待感もありました。電通総研が開発・提供する連結会計ソリューション『STRAVIS(ストラビス)』も当社にて利用しており、現在もサポートしてもらっています。国内企業の安心感に加え、当社への理解が深い点でも、ぜひご一緒したいと思いました」(橋本氏)

各部署からの複雑な要望を整理しながら、Fit to Standardで開発

Ci*X Expenseは1ユーザーとしても使いやすいシステム。また、アドオンを最小限に抑えたことで、メンテナンスの負荷が低い、長期間継続して使えるシステムになったと感じています

IT・AI戦略部 コーポレートシステムチーム 次長
橋本氏

Ci*X Expenseの導入にあたってもっとも苦労したのが、Fit to Standardの実現に向けた社内調整でした。各部署の要望を聞き、それをCi*X Expenseの標準機能に合わせて落とし込むにはどうすればよいかを議論して、関係部署に持ちかけ、また意見をもらう……。これを繰り返し、時には各担当者を説得しながら、作り込みすぎない形で調整をしていったといいます。

反対に、Ci*X Expense導入を機に社内規程を変更した部分もありました。これまでは個人に紐づく複雑な権限設定がなされていましたが、職位に基づく権限設定に統一したのです。「三菱商事独特の複雑な権限体系が、シンプルでわかりやすいものに整理されました。システム全体がすっきりとし、メンテナンスしやすい内容に変わったと感じています」と橋本氏は話します。

橋本氏は、プロジェクトを振り返り「電通総研の手厚いサポートが有難かった」と話します。「さまざまな部署から多くの要望が上がってきたのですが、それを伝えて『できません』と言われたことはほとんどなかったように思います。しっかり受け止め、検討し、柔軟に対応してくれました」。

「ほかにもいろいろあるのですが、当社独自の特殊な仕組みをFit to Standardの原則で開発し、最終的にアドオンを最小限に抑えられたのは、極めて大きな成果だと思っています」(岩永氏)

経費精算業務工数および差し戻しを約50%削減

Ci*X Expenseは、単なる経費精算ツールではなく“業務プロセス改善ツール”。三菱商事の複雑な経費精算業務を全体的に見直すことができ、大きな手応えを感じています

主計部 コーポレート部門管理・海外チームリーダー
岩永氏

2024年10月に本稼働を開始した三菱商事のCi*X Expense。同社は稼働後も、導入に携わった電通総研のメンバーを中心としたサポート体制のもと、継続的な支援を受けています。

Ci*X導入後の運用主管としてフロントに立つ主計部の坂井裕之氏は「導入メンバーが稼働後もずっと伴走してくれる点が、現場としては有難いです。開発の経緯や事情を詳しく知ってくれているので話が早く、安心できる。対応が丁寧で、長くお付き合いできるパートナーだと実感しています」と話します。

丁寧な開発、稼働後のサポートが奏功し、稼働開始以降、システムに対するクレームや問い合わせはほとんど寄せられていないといいます。また、Ci*X Expenseの稼働によって、経費精算業務に関する工数や差し戻しは約50%も減り、大幅なコストダウンを実現できたなど、明確かつ大きな効果も生まれています。

「Ci*X Expenseは、単なる経費精算システムではなく、業務プロセス改善ツールだと感じています。導入によって、当社のペインポイントであった経費精算業務全体を大きく効率化することができました。また、システムに関わる人の意識を変え、ガバナンスの強化にも役立った。当社にとって大きな成果を得ることができています」(岩永氏)

今後は請求書払いを含む営業費の効率化にも使っていきたいと考えています。同社はこれからも、Ci*Xを活用し、さらなる業務効率化とガバナンス強化につなげていく考えです。

社名:
三菱商事株式会社
本店所在地:
東京都千代田区丸の内二丁目3番1号 三菱商事ビルディング
創立:
1954年7月1日
資本金:
2,138億2,467万9,326円
従業員数:
単体:4,477名、連結:62,062名
事業内容:
エネルギー&パワーソリューション、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.の7グループ体制で幅広い産業を事業領域とする
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 記載情報は取材時(2026年3月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

関連事例

50周年記念サイト