年間約20万件の申請を電子化。
神戸製鋼所が実現した、業務標準化と独自要件を両立する経費精算DX
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素材系、機械系、電力と多様な事業を展開する株式会社神戸製鋼所(KOBELCO)。同社は1905年の創業以来、約120年にわたって多様な社会課題の解決に向け、様々な苦難を乗り越えて挑戦を続けてきました。そして現在も、「魅力ある企業への変革」を実現するための7つの変革を「KOBELCO-X」と総称し、全社的なBX(業務変革)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推し進めています。その取り組みの一環として着手したのが、経費精算業務の抜本的な見直しでした。
同社で長年利用してきたスクラッチ開発の経費精算システムは、老朽化はもとより、法対応コストの増大や、年間20万件にも及ぶ紙の証憑の貼り付けや保管といった運用負荷が課題となっていました。新たなシステムの選定にあたっては、Fit to Standardの考え方を基本としながらも、事業所単位の出納管理など同社固有の業務要件に柔軟に対応できるかが焦点に。海外製パッケージでは吸収できなかった要件も、柔軟なアドオン開発が可能な電通総研の経費精算システム「Ci*X Expense」を採用することで、業務標準化と独自要件への対応を両立しました。
システム稼働により現場の紙運用は大幅に削減され、年間数億円規模の業務削減効果が見込まれています。同社は今後、グループ各社への展開やAIによるデータ活用を通じ、さらなる経理DXを加速させていく考えです。
紙と手作業が前提だった経費精算業務
紙を貼って郵送し、段ボールに入れて倉庫に保管する。年間20万件の申請に伴うこの作業とコストがなくなるというのは、非常に大きな経済効果を生んでいます
株式会社神戸製鋼所 財務経理部
資金決済グループ長 斎藤一佐 氏
国内外の決済業務を担い、正確な入出金処理と不正防止をミッションとする財務経理部 資金決済グループですが、紙を前提とした経費精算業務の運用には、長年課題を抱えていました。同グループ長の斎藤一佐氏は、当時の状況を次のように振り返ります。
「在宅勤務など働く場所を選ばない環境を整備するうえで、最大の障壁となっていたのが紙の業務でした。以前のシステムでは、印刷した証憑台紙に領収書を貼り付け、上長に回覧し、経理室へ郵送して保管するという手間が発生していました。年間で約20万件もの申請があり、現場の手間だけでなく、段ボール箱に入れて10年間保管するスペースやコストも大きな負担となっていたのです」
長年利用してきた旧システムは自社独自のスクラッチ開発であり、サーバーの老朽化やインボイス制度など法改正のたびに改修の手間とコストがかかることも、経費精算システムのリプレイスを後押しする要因となりました。
標準化と柔軟性のバランスが採用の決め手に
神戸製鋼所では、システム刷新にあたり安易にアドオンに頼るのではなく、Fit to Standardの考え方を前提に業務の標準化を検討しました。一方で、事業所主体の支払い管理や複雑な出張規程など、長年の事業運営の中で定着してきた業務プロセスを、限られたプロジェクト期間の中で一気に変えることには現実的な難しさもありました。
そこで同社が重視したのが、標準機能を最大限活用しながらも、業務の成立や統制の観点でどうしても必要な要件については、最小限のアドオンで柔軟に吸収できるかという点でした。
資金決済グループの永舩氏は、「完全にパッケージ標準に合わせようとすると、こうした要件をそぎ落とし、業務そのものを大きく変える必要があります。しかし、限られたプロジェクト期間内で現場の業務を根底から変えることは現実的ではありませんでした」と説明します。
こうした背景のもと、複数社の製品を比較・検討し選ばれたのが、電通総研が開発・提供する経費精算システム「Ci*X Expense」です。
Ci*X Expenseは、多種多様な業種・業務要件に対応する豊富な標準機能を備え、Fit to Standardを基本とした活用が可能である一方、どうしても必要な固有要件についてはアドオンによって柔軟に対応できるシステムです。
「Ci*X Expenseであれば、標準機能をベースに業務の整理・統制を進めながら、当社の業務を成立させるために本当に必要な部分だけを最小限のアドオンで補完できる。標準化と柔軟性のバランスが当社に最もフィットしていました」(永舩氏)
目的の深掘りと提案力で最適な運用を設計
『なぜそうしたいのか』という目的を深掘りし、業務とシステムの最適なバランスを提案してくれた電通総研の姿勢に、パートナーとしての深い信頼を感じました
株式会社神戸製鋼所 財務経理部 資金決済グループ
永舩真由 氏
要件定義のフェーズでは、現場から「旧システムと同じように、細かい閲覧範囲の設定をしたい」といった要望が数多く寄せられました。業務とシステムのバランスをどう取るかが問われるなか、電通総研のパートナーとしての姿勢が評価されました。
「当社の『こうしたい』という要望をそのまま受け取るのではなく、電通総研のメンバーは常に『なぜその業務が必要なのか』と本質的な目的を深掘りしてくれました。そのうえで、『それならばこの標準機能で代替できませんか』『この設定なら業務とシステムのバランスが取れます』と、メリットとデメリットを整理して複数の選択肢を提示してくれたおかげで、納得のいく運用設計ができました。レスポンスも早く、信頼感を持ってプロジェクトを進めることができました」(永舩氏)
プロジェクトでは、自動仕訳システム「Ci*X Journalizer」も同時に導入されました。プログラミングレスで既存の仕訳ルールをシステムに落とし込めるため、周辺システムとの連携もスムーズに行われました。また、インフラ基盤にマネージドクラウド「Ci*X PAS」を採用したことで、サーバー管理やセキュリティ対応の負荷が大幅に軽減されるという効果も得られています。
紙運用からの脱却、そしてグループ展開へ
新システムが稼働し、経費精算業務は大きく効率化されました。乗換案内アプリのようにスマートフォンからスムーズに交通費の精算ができるようになり、現場からも「楽になった」という声が上がっているといいます。
「一番の成果は、経費精算業務全体の効率化と高度化を実現できた点です。申請から承認に至るまでのプロセスが大きく見直され、業務負荷の軽減と生産性向上につながりました。紙の削減や郵送・保管コストなども踏まえると試算上は数億円規模の業務削減効果が見込まれています。
こうした取り組みは『KOBELCO-X』の目指す変革を体現するものであり、社内的にも高く評価されています。
」(斎藤氏)
今後は、蓄積されたデータを活用したガバナンス強化や経費分析など、データを起点とした経営貢献にも取り組んでいく構えです。
また、本社への導入を皮切りに、国内グループ各社への展開も本格化しています。次年度には計10社への導入を予定しており、ゆくゆくはグループ全体の経理業務をシェアードサービス化する構想も描いています。
「設定をコピーできたり、マスタを共通で使えるなど、グループ展開の負担が軽減されていると感じます。将来的には、当社の規程を読み込ませてAIが自動でチェックしてくれる機能など、Ci*Xのさらなる進化にも期待しています。当社としても標準機能に合わせてアドオンを削る努力をしつつ、電通総研には今後も新しい機能や、より良いアップデートのアプローチを提案していただきたいですね」(永舩氏)
120年を超える歴史と確かな技術力で社会を支える神戸製鋼所。同社の変革の歩みは、次世代のシステム基盤とともに、さらなる加速を続けていきます。
鋳鉄品・鋳鍛鋼品及び非鉄合金の鋳鍛造品の製造販売
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産業機械器具・輸送用機械器具・電気機械器具及びその他の機械器具の製造販売
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※記載情報は取材時(2026年3月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。