NOK株式会社
Ci*Xシリーズの導入で組織や法令の変更にも柔軟かつ迅速に対応
約90,000枚のペーパーレス化を実現し、働き方改革にも貢献
約90,000枚のペーパーレス化を実現し、働き方改革にも貢献
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1941年に創業した、日本初のオイルシールメーカーであるNOK株式会社。車のエンジンなどに使用され、油漏れやほこりの侵入を防ぐオイルシールは国内シェア70%を誇ります。80年以上培ってきたその技術力を武器に、近年では自動車をはじめとしたモビリティのみならず、PCやスマートフォンに代表される電子機器、OA機器、医療・ヘルスケア機器、産業用ロボット、そして人工衛星など、あらゆる産業分野に技術・製品を提供しています。
同社はコロナ禍を契機としてリモートワークを導入。従業員一人ひとりが自分に合った働き方ができるようさらなる環境整備を推進しています。2023年、同社はスクラッチ開発した経費精算システムを刷新。新たな経費精算システムとして電通総研が提供する「Ci*X Expense(サイクロス エクスペンス)」を採用し、同社とグループ5社に導入しました。また、電通総研のマネージドクラウド「Ci*X PAS(サイクロス パス)」上でCi*X Expenseを運用することで、サーバをクラウド化し、システム運用の負荷も軽減しました。
プロジェクトを統括したグループ財経本部 経理部 経理課長の川﨑大輔氏は、「事業の多角化による組織改編や国の税制改正など、様々な変化に柔軟かつ迅速に対応できるシステムとしてCi*X Expenseを選びました。使用している約6,000名の従業員からの評判も上々で、紙での申請や承認がなくなり、リモートワーク下での経費精算業務が大幅に効率化できています」と語ります。
紙から脱却し、柔軟な働き方を実現するために
『グループで統一すべきところ』と『各社で個別最適化したいところ』で柔軟に設定を変えられるのは、Ci*X Expenseの利点だと感じます
NOK株式会社 グループ財経本部 経理部 経理課 主事補 竹田慶佑氏
「コロナ禍をきっかけにリモートワークを導入したものの、経費精算システムが私たちの働き方に追い付いていませんでした」そう話すのはプロジェクトで業務領域をリードしてきたグループ財経本部 経理部 経理課 主事補の竹田慶佑氏。NOKおよび国内主要グループ会社が利用していた経費精算システムは、約20年前に同社の業務に合わせてスクラッチ開発されたものでした。社員は会社のパソコンで申請し、証憑台紙を印刷して領収書を貼り付けて提出。承認する管理者や経理担当者も、紙で受け取った証憑をもとに、会社のパソコンで承認作業を行わなければなりません。さらに経理担当者は、承認が終わった申請書に出納印を押し、順番を並べ替えてファイリングする必要があり、「経費精算のためだけに出社するようなことも生じていた」と竹田氏は話します。
老朽化したシステムは、「運用の面でも課題が山積だった」とシステム領域をリードしたプラットフォーム整備室 ERP整備部 ERP四課の松田優斗氏は続けます。「旧システムで使用されていた開発言語が古いこともあり、機能追加はもちろんのこと設定を変更するだけでも保守を担うシステム会社に依頼する必要がありました。そのため、費用と対応スピードにおいて課題を抱えていました」。
2021年、同社ではクラウド型の経費精算システムへとリプレースが決定。選定にあたって重視したのは、「申請業務と承認業務の両面において業務効率化を図れること」「法令改正や社内の組織変更に柔軟に対応できること」「中堅・大企業の導入実績が豊富でグループ全体でメリットを享受できること」の3点でした。
これらの選定基準を満たすには、パッケージ製品の導入が不可欠。しかし、これまで自社の業務に合わせて開発したシステムを利用していた同社にとって、汎用的なシステムで気になるのは使い勝手です。経費申請の電子化に伴ってある程度のワークフローの見直しは避けられないとはいえ、旧システムでできていたことができなくなり、業務が滞ってしまっては困ります。川﨑氏は製品を比較検討していた3社に対して「業務ファンクションチャート」を提出し、既存の業務についてそれぞれシステムで「対応できるか/できないか」の回答を求めました。
「クラウドには絞っていましたので、SaaS製品などと比較しましたが、他製品と比べてCi*X Expenseの業務適合性が最も高かったことが一番の決め手となりました。例えば、申請の差し戻しに関する機能やマスタの手動修正機能など、トラブル発生時のリカバリー手段に長けている印象でした。
また電通総研は質問に対するレスポンスも早く、600行以上もある現行・希望機能に関してすべての項目に丁寧に回答いただき、できないことがあっても代替案を提示してくれたので安心感がありましたね。それに、初期費用だけでなく10年間の運用コストも含めて比較すると、Ci*X Expenseがリーズナブルだった点も評価しました」(川﨑氏)
また、松田氏は、各社から提出されたプロジェクト体制にも違いが見られたと振り返ります。「他の会社は我々に求めるリソースが大きく、社内でその体制を確保できるか、また確保できたとしても本業を持つ中でプロジェクトにどこまで時間を割けるか不安を覚えました。実際導入の際には、電通総研のメンバーに様々な面でリードしていただけたので大変頼れる存在でした」(松田氏)
こうした検討の結果、NOKが最終的に選択したのは、電通総研が開発するエンタープライズ向けグループ経費精算システムCi*X Expenseでした。
導入プロセスでも電通総研の手厚い支援を実感
Ci*X PASで電通総研にシステム運用を任せられたので、アプリケーションの管理に集中できるようになり、トラブルにも迅速に対応できるようになりました
NOK株式会社 プラットフォーム整備室 ERP整備部 ERP四課 松田優斗氏
導入プロジェクトがスタートしたのは、2022年5月。その後、約9ヶ月をかけて要件定義・設定・検証・総合テスト・教育と進行し、2023年1月よりNOKにて本稼働を開始。そこから先のグループ5社への展開は、同社主導で行ったといいます。
プロジェクトのフェーズとしては後半に当たる総合テストや教育で、各事業所や支店の経理担当者にCi*Xの使い方を説明した際に、現場の実態と合わないところがあることが判明。次々と寄せられる想定外の要望に対し、「今から変更するのは難しいだろう」と竹田氏は感じたと言います。しかし、「Ci*X Expenseの柔軟性の高さと電通総研の手厚いサポートによって、最終的には実務に即した形で導入することができ、大きなトラブルもなく本稼働を迎えられた」と続けます。
また電通総研の導入サポートについても、竹田氏は次のように語ります。「今回のCi*X Expenseの導入においては、アドオン対応はしないと決めていました。当社個別の要件に対応しすぎると、法令対応などの改修が必要になるたびに、検証作業に大きなコストと作業負荷がかかってしまうからです。『アドオン対応せずに、できるだけ業務にフィットさせたい』という我々の思いを汲み取り、多岐にわたる設定項目について非常に細かく仕様書に落とし込んでいただいたおかげで、グループ会社への展開もスムーズに進めることができました」。
今回、インフラ環境には、Amazon CloudWatchを活用したマネージドクラウド「Ci*X PAS」を採用。そのメリットについて松田氏は、「インフラの障害対応やセキュリティ対策を任せられるのは大きな業務負荷低減につながる」と評価します。
使いやすさと安心が魅力のCi*X Expense
Ci*X Expenseによって経費精算業務の効率化を図れました。今後は、さらなる経理業務の効率化や高度化を目指し、拠点をまたいだ経理業務の集中化に着手していきたいです
NOK株式会社 グループ財経本部 経理部 経理課長 川﨑大輔氏
Ci*X Expenseを導入した効果は、経理部門、営業部門、システム部門のそれぞれが感じていると言います。
「経理部門では、申請から保存まで完全なペーパーレス化を実現でき、スキャンやファイリングといった作業が不要になったこと。それにともない、経理部門でもリモートワークができるようになりました。加えてCi*X Expenseでは、申請者による入力漏れなどがあった場合に、あらかじめ設定したルールに従って自動で警告やエラーを表示できるため、差し戻しの回数も減ったように感じます」と語る竹田氏。
また出張や外出の多い営業部門のユーザーからは、「領収書を会社に行ってスキャンしなくてもスマートフォンのカメラで撮影して申請できる点が便利」「電車代やガソリン代の自動検索機能で申請が楽になった」という声が上がっており、直感的でわかりやすいUIも好評を得ています。
さらに松田氏は電通総研のサポート体制について、次のように語りました。「Ci*X Expenseに移行してから仕訳定義の変更が容易になりました。マスタを表形式で確認できるので自分たちで変更ができますし、やり方がわからないときにはサポートデスクの担当者が我々と同じ環境を見ながら、きめ細やかに教えてくれるので安心です。本番稼働直後のトラブルにもわずか数分で返信があり、20分もかからないうちに原因を解明してくれたこともありました。レスポンスの早さにはいつも感動しています」。
最後に川﨑氏は次のように締めくくりました。「導入して1年半が経過し、税制対応など、すでにシステムの変更が必要な場面が多々ありました。しかしながら、大きな対応をすることなく設定変更で柔軟に対応できる点に非常に助けられています。将来的にも我々の事業変化や世の中の潮流に合わせ、柔軟に対応していける基盤が整ったと自負しています。電通総研にはぜひ今後も末永いサポートをお願いしたいです」
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※記載情報は取材時(2024年5月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。