Ci*X Expenseで経費精算業務の効率化とコミュニケーション意識改革を実現
- 会計

1935年に「ヤクルト」の製造・発売を開始し、「私たちは、生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。」を企業理念に掲げる株式会社ヤクルト本社は、乳酸菌飲料のリーディングカンパニーとして右肩上がりの成長を続け、現在では日本を含む世界40の国と地域で「ヤクルト」の製造と販売を行っており、「ヤクルト」は毎日4,000万人の方々に愛飲されています。
同社は、従前のシステムのサポート切れをきっかけに、経費精算システムの刷新プロジェクトを始動。幅広い職種や世代が利用するシステムであるがゆえ、ユーザー目線で利用しやすいものを重要視し選ばれたのが、電通総研が開発・提供する経費精算システム「Ci*X Expense(サイクロス エクスペンス)」でした。
主管部署責任者として、Ci*X Expenseの導入をリードしてきた当時経理部財務課の宇多氏は、「当社では幅広い年代の社員が経費精算を行うため、多くの人たちにとって使い易い、ユーザー視点のシステムとしてCi*X Expenseを導入しました。実際に使った社員から『やってみたらできた』『入力しやすい』という声をもらっています。経費精算業務を起点に、デジタルの力を借り、業務の標準化や働きやすい職場環境の整備を推進できたことが、これからのヤクルトの業務改革の第一歩となったのではないか」と話します。
目次
システム導入とともに業務標準化を推進
Ci*X Expenseは標準機能で細かな承認フローが設定できたり、社内規定を組み込んでエラーを表示できるなど、きめ細やかな標準機能があり、大幅に業務を変えなくてもよかった点が採用のポイントになりました
経理部 財務課 主事補
大塩氏

「従前の経費精算システムのサポート終了予告を受け、2020年頃から新システム導入プロジェクトを立ち上げたものの、社内調整や業務の標準化などのハードルが高く、思うように進みませんでした。いよいよ従前のシステムのサポート切れが迫る2023年6月に再スタートしたのです」と宇多氏は話します。
「従前のシステムは、インボイスや電子帳簿保存法など法令対応のたびに、改修していました。今回システムを刷新するにあたっては、システムの標準機能で柔軟に対応できることを前提に検討を進めました」。
今回のプロジェクトで業務要件の整理を主導した経理部 財務課の大塩氏は、様々な経費精算システムを見る中で驚きを感じたといいます。
「今までは、既存の業務フローに合わせた独自のシステムを開発することを前提に検討するのが当たり前だったのですが、昨今の経費精算システムには、カスタマイズして業務に合わせるシステムは、あまりなかったのです」。
働き方改革の推進やリモートワークの浸透を背景に、世の中の経費精算システムは企業の一般的な業務フローに則って作られたものが主流となっていたといいます。
「紙が残る文化も根強く、全社員が行う“経費精算”の業務プロセスを変えるのは、大きな壁がありました。しかし、外部環境も変わる中でやるしかないと心を決め、業務の標準化を進めながら、私たちがシステムに合わせていくことを軸に考え始めました」(宇多氏)
ユーザー視点の入力しやすい画面と充実した標準機能を評価
Ci*X Expenseはマニュアルがなくても直観的に操作できるシンプルな画面で、必要な情報がグルーピングされているため、画面の上から流れで入力できることが魅力です
経理部 財務課
伊藤氏

選定のポイントは3つ。ユーザー視点の使いやすい仕組み、社内規定に対する柔軟な設定、法令対応をはじめとしたシステムの拡張性です。
中でも幅広い職種や世代が利用する経費精算システムなので、“ユーザー視点”は重要視したといいます。検討の結果、選ばれたのが電通総研の経費精算システムCi*X Expenseでした。
Ci*X Expenseは電通総研が2018年に提供を開始した経費精算システムです。グループ経営に求められる高度な業務要件に対応する各種機能と、社員の働きやすさや生産性向上を実現する優れたユーザーインターフェースを備えています。
導入にあたり業務要件の整理やユーザーへのシステム説明を担当した経理部 財務課の伊藤氏はCi*X Expenseを選択した理由をこう語ります。
「選定ポイントの中でも特に決め手になった点は2つあって、1つは画面の入力のしやすさです。マニュアルがなくても直観的に操作できるシンプルな画面で、必要な情報がグルーピングされているため、画面上から流れで入力できることも魅力でした。もう1つは、当社の社内文化や規定を深く理解した上で提案いただいた点です。RFPでは300項目の希望要件を挙げましたが、すべてに丁寧に回答してもらい、難しい場合には代替案を提案いただきました」。
大塩氏はヤクルトの社風とCi*X Expenseの相性が良かったと話します。
「多くの従業員が関わる経費精算システムなので、大きなジャンプアップよりも着実にステップアップできるシステムを求めていました。Ci*X Expenseは標準機能で細かな承認フローが設定できたり、社内規定を組み込んでエラーを表示できたりするなど、きめ細やかな標準機能があり、大幅に業務を変えなくてもよかった点も大きなポイントとなりました」
電通総研のリードによるスムーズなプロジェクト推進
2024年4月に導入を開始し、2024年12月に新しい経費精算システムは本格稼働しました。プロジェクト期間中のことを大塩氏は次のように振り返ります。
「検討当初から“ユーザー視点”を大切にしていたので、各事業所や工場に出向いて各拠点の経費精算業務のフローを聞いて回り、システムの仕様を固めていきました」
2025年4月の定期人事異動では、組織や役職の変更、それに伴うチェックルールの追加などに関するマスタ設定が必要でした。伊藤氏は、システム稼働後の大きな設定変更に関して「4月の定期人事異動を見据えプロジェクト期間中に準備を進めていました。マスタの設定方法は把握できていましたし、運用しやすいように設定方法を工夫してもらっていたので、スムーズに実行できました」と話します。
プロジェクトを共に進めてきた電通総研の印象について、大塩氏は次のように語ります。
「普段経理業務を行う私たちにとって、領域の違う『システム導入』はどうしても身構えてしまいます。私自身、システム導入のプロジェクトは10年ぶりで二回目でしたが、今回一番驚いたのは電通総研のプロジェクト推進力です。プロジェクト全体のスケジュール管理やタスクの進捗管理、打ち合わせ内でのテーマ設定、それまでの私たちの宿題など、電通総研が整理しながらリードしてくれました。私たちはそれにならって進めていけば、私たちの求めるシステムが、どんどん出来上がっていく感覚でした。テストのシナリオもヤクルト用にカスタマイズされており、私たちが気になるポイントをしっかり押さえてくれていたり、製品マニュアルもそのまま展開できるわかりやすいものを納品してくれました。電通総研のシステム導入は、私たちに寄り添ってくれた印象です。システム導入がこんなにスムーズにいくものなのだと、嬉しい驚きがありました」。
Ci*X Expenseの導入により社内の意識も変化
Ci*X Expenseの導入で、経費精算という比較的入りやすい業務から、システム化の良さ、ペーパーレスの必要性を従業員が体感してくれました。作業はシステムに任せて、考えることや判断すること、人と人とのコミュニケーションは時間をかけてやっていきたいと思います
経理部 財務課 課長
宇多氏

今回のプロジェクトを振り返る中で、Ci*X Expenseの導入に関して社員アンケートを実施し、多くの 回答を得られたといいます。
「システム導入に関しての意識を聞いたところ、全体の15%程度は業務フローや使い慣れたシステムが変わることに抵抗があったと回答しました。しかし、導入されて実際にどうだったかを問う質問に対し、半数はその想いが解消されたという回答結果でした。マニュアルレスで使用できるCi*X Expenseだからこそ、従業員の皆さんも使い易く感じたのだと思います」(大塩氏)
その他にも、経費精算で利用していた紙がなくなり、申請から承認までのスピードが速くなるだけでなく、テレワークがより実現しやすくなってきたと大塩氏は続けます。
宇多氏は、システム導入に関する考え方を次のように話します。
「コミュニケーションを大切にする社内文化だからこそ、システム刷新に対する抵抗が強かったように思います。しかし今回のCi*X Expenseの導入で、システム化の良さ、ペーパーレスの必要性を従業員が体感してくれました。
これはコミュニケーションをなくすということではありません。作業はシステムに任せて、考えることや判断すること、人と人とのコミュニケーションは時間をかけてやっていく。コアな業務に時間を傾けるということです」
今後、会計システム領域でもシステム刷新を検討していくことになると続ける宇多氏は「また今後システム導入をする際には、ぜひ電通総研の力をお借りしたい」と締めくくりました。
-
※記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
-
※記載情報は取材時(2025年4月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。