明治安田生命保険相互会社

人事情報の一元化と活用で職員に寄り添った人事運用の最適化を実現

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写真左より 岩崎隆吾氏(人事部 人事グループ スタッフ)、泉山奈緒美氏(人事部 人事グループ 事務スタッフ)、山元大典氏(人事部 人事グループマネジャー)、片山圭子氏(執行役員 人事部長)、
熊倉佳那子氏(人事部 人事グループ 事務スタッフ)、濱中光氏(人事部 人事グループ 主任スタッフ)
撮影場所:明治生命館(重要文化財)

2020年4月より、人事運用・人財育成体制の抜本的な強化計画「人事マネジメント改革」を推進している明治安田生命。職員自身の主体的・長期的なキャリア形成を後押しする同改革をインフラとして支えているのが、ISIDの統合HCMソリューション「POSITIVE」により構築した「タレントマネジメントシステム」です。同社は、職員13,000人を対象とした同システムで、管理職や専門職等1,200名超の経歴開示を通じたキャリア情報の共有や、「従業員向けWebサービス」機能導入による、人事手続関連書類のペーパーレス化を実現しました。

さらに、世の中の就労観の変化や職員のライフステージに対応する新たな人事制度を次々と導入。あわせて職員の情報を“もれなく”“タイムリー”にPOSITIVEへと集約することで、一人ひとりの適性やおかれた状況に寄り添った人事運用を目指しています。人事部 人事グループマネジャーの山元大典氏は、「人事情報がPOSITIVEへと一元化されたことで、複合的かつ効果的な人事運用を考えられるようになりました」と話します。

現在は、長らく人事部が中心となって行ってきたという人事異動案の検討フローを見直し、各事業分野に精通する各分野の人事担当者が、人事部と協力しながら、人事異動案を立案できる新たな機能の開発に着手。さらに今後は、給与、社会保険、勤務管理といった幅広い分野でのPOSITIVEの活用を見越して、ISIDのサポートを通じた新たな機能の導入準備が着々と進められています。

時代の変化にあわせた人事制度の構築と運用を支えるシステム

時代の流れや個人の状況にあわせて柔軟に活用できる自己選択制度や両立支援制度を提供し、一人ひとりの職員のやりがいやその家族も含めたウェルビーイングの実現をめざしています

片山圭子氏(執行役員 人事部長)

「当社は生命保険会社の特性上、50年以上の長期にわたるご契約を取り扱うため、安定的なお客さまサービスを提供していくことが必要です。経営はもちろん、人財育成にあたっても長期的な視点に立って取り組む必要がありますし、職員一人ひとりの意欲や適性に基づいた成長や活躍をしてもらえるよう、人財を大切にする『メンバーシップ型雇用』を志向しています」と話す片山圭子執行役員 人事部長。「職員のライフイベントや、病気等の予期せぬ事態に配慮し、世の中の就労観の変化もふまえて、会社自体も柔軟に変わっていくことを強く意識している」といいます。

「時代の流れや個人の状況にあわせて柔軟に活用できる自己選択制度や生活と仕事の両立支援制度等を用意することは、職員のやりがいやその家族も含めたウェルビーイングの実現にもつながります。同時にPOSITIVEを通じて、主体的に自らのキャリアを考えることができる環境を提供するため、目指すポジションの職員がどんな経歴を辿ってきたかを見られたり、目指す先輩にキャリア相談のコンタクトを取れたりするようにしています」(片山氏)。

同社ではそうした人事運用を支えるインフラとしてPOSITIVEを活用。経営層から人事担当者、管理職、一般職員それぞれが、必要な人事やキャリアの情報を閲覧できるようにして、人事運用の最適化を図っています。

このような考えの下、近年も職員が柔軟かつ主体的に働けるようにするための新たな制度を多数整備。山元氏によると、主に次のような制度が展開されているといいます。

若手から女性・シニア層にいたるまで、すべての職員が、自らの描くキャリアの実現に向けてチャレンジできる制度を用意し、活躍を後押しすることが人事部の役割だと考えています

山元大典氏(人事部 人事グループマネジャー)

「例えば “どこでも本社”と呼ばれている制度は、地方在住の転居転勤ができない職員でも本社業務に携われるリモート型の働き方。現在全国で約40名が利用しています。また、家庭の事情などにより転居をしても、会社を辞めずに働けるIターン制度も積極的に活用されています。当社は全国に1,000以上の拠点を構えています。職員が必要に応じて拠点を移動したり、逆に拠点を問わず自らのキャリアや適性を活かした仕事に携わったりすることができるよう、必要な制度を整えるとともに、気兼ねなく制度を活用できるような風土づくりにも取り組んでいます」。

さらに自ら挑戦したい部署や職務に手を挙げられる「キャリアチャレンジ制度」も積極的に活用されており、これら制度の応募においてもPOSITIVEが活用されています。

「キャリアチャレンジ制度は年に1度の募集、Iターン制度等は随時応募を受け付けています。新たな制度や募集情報をPOSITIVE上で案内・開示することにより、各職員の状況に変化があったときやキャリアの意向が決まった際の選択の幅を広げていきたいと考えています」(山元氏)

新制度のスムーズな立ち上げを支える、ノーコードでのスピーディーなシステム改修

一人ひとりに寄り添った人事運用に不可欠な、最新の家庭状況や本人のキャリアビジョン等さまざまな情報を“もれなく”“タイムリー”に収集し、人事部と各事業分野の人事担当者が情報を共有する基盤が整備できました

濱中光氏(人事部 人事グループ 主任スタッフ)

「新たな人事制度・施策をスムーズに立ち上げ、安定的に運用するには、展開後に職員の声に耳を傾け、ブラッシュアップしていく必要があります。利用者の声や、社会や経営からの要請もふまえてスピーディーにPDCAを回していくことを考えたとき、情報システム部ではなく、人事運用を担当する人事部のスタッフがノーコードで自由に直せるシステムは、非常に魅力的でした」。人事グループの亀﨑公一朗氏は、同社におけるPOSITIVEの有用性についてこう語ります。
「POSITIVEは約3,000社の導入実績があり、非常に機能が豊富。私たちの手でシステムを実装する際にも、ISIDの担当者から『この要件なら標準機能を応用できる』『機能を少し調整すれば対応可能』などと活用の幅を広げる提案をしてもらえ、とても心強く感じています」(亀﨑氏)。

各種自己選択制度や両立支援制度の応募メニューは、実際に人事部スタッフの手で実装されました。実装に携わった人事グループの泉山奈緒美氏は、「初めてその制度に応募する人でも簡単に画面操作ができるよう、利用者の目線に立ちBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の観点も取り入れながら、従来の応募フローにとらわれず、システムの実装に取り組みました」と振り返ります。

「特に人事異動の本人意向にかかる申告では、就労観の変化や職員の声に耳を傾けつつ、機動的に質問項目のアップデートを行う必要があります。情報システム部に依頼せず、人事部でメンテナンスできるメリットを活かし、スピーディーに申告メニューを最新化することができました」(泉山氏)

職員データの一元化が、質の高い人事運用の基盤に

ISIDからは、他社でのベストプラクティスや、当社の人事運用をふまえた最適なシステム構築を支援してもらっています。プロトタイプを作り、試しながら実装できるため、これまでとはスピード感が全く違います

岩崎隆吾氏(人事部 人事グループ スタッフ)

同じく人事グループの岩崎隆吾氏も、POSITIVEの活用を前提とした応募フローの見直しが、職員の利便性向上に寄与したと語ります。

「これまで各種制度の応募は、人事部がファイル形式で受け付け、提出の際には必ずメールのCCに所属長を入れてもらうよう依頼していました。しかし、システムでの申請に切り替えるにあたり、所属長である部長と、直接の上司であるグループマネジャー、双方の承認が本当に必要か、承認ボタン1個で完結できるのではないか、とゼロから応募フローの見直しに取り組みました。当たり前のことに思えるかもしれませんが、約13,000人の職員が応募・申告等を行う際の負荷と、承認する上長の業務負荷を考えると、このような小さな積み重ねは決して疎かにはできないと考えています」。

さらに人事グループの熊倉佳那子氏は、オンライン上で職員の情報を収集し、一元化できる “タイムリー性”が、人事運用を支える重要なインフラになっていると語ります。
「一人ひとりに寄り添った人事異動を実現するためには、最新の家庭状況や本人のキャリアビジョン、仕事への向き合い方等さまざまな情報が必要です。POSITIVEの導入により、必要な人事情報をリアルタイムで収集・活用するための基盤が整備できました」。

システムの構築により、人事異動案を検討する担当者から、必要なデータの提供を求められた際に、タイムリーに対応することができるように変わったと笑顔を見せます。

職員一人ひとりに寄り添った人事異動案検討を支える機能を開発

POSITIVEの活用範囲を給与や社会保険に広げるための基礎調査では、パッケージにあわせて事務フローを見直すか、それともパッケージに機能を追加するか等、一つひとつ丁寧に確認することで、コストパフォーマンスや作業効率を高めていきたいと思います

亀﨑公一朗氏(人事部 人事グループ 主任スタッフ)

現在はPOSITIVEの活用局面を広げていくための新たな開発がスタート。従来、人事部が全社の人事異動案を一括して検討していたところ、POSITIVE上で、各事業分野の人事担当者が分野内の異動案を一次起案し、全社最適の観点で人事部が最終調整する運用を目指しています。この取り組みもまた、職員に寄り添ったきめ細やかな人事異動の実現に向けた重要な試みです。

実装に携わる人事グループの濱中光氏は、「これまでは、人事部が、紙やファイルを用いて、各事業分野で起案された人事異動案をつなぎ合わせるといったアナログな方法をとっていました。しかし、POSITIVE上に人事異動案生成の仕組みを集約すれば、各事業分野の人事担当者がリアルタイムに分野内の人事情報を参照したり、人事部との間で人事異動案の検討状況を共有したりできます。この仕組みにより、業務効率化はもちろん、全社および事業分野ごとの人的資本の充足状況を可視化することにもつながると期待しながら、ISIDと二人三脚で実装を進めています」と語ります。

さらに今後は給与、社会保険、勤務管理の分野でもPOSITIVEを活用していきたいと亀﨑氏。
「POSITIVE導入事例における他社のベストプラクティスも取り込みながら、数年かけてしっかりと導入への道筋をつけるため、現在、フィージビリティスタディというプロセスを進めています。これは、ISIDの担当者から、パッケージの基本機能の説明を受けた後に、現行実務を熟知している人事部の担当者が、あるべき事務フローとパッケージの機能とのすり合わせを行う工程です。パッケージに合わせて事務フローを見直す箇所もあれば、パッケージに対して新機能の追加を検討する箇所もある。準備段階で、丁寧に確認をしながら、コストパフォーマンスや作業効率を高め、効果的にPOSITIVEを使いこなしていければと考えています」

2023年2月更新

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社名
明治安田生命保険相互会社
本社所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1
創業
1881年(明治14年)7月9日
総資産
44兆1,607億円(2022年3月末現在)
基金総額
9,800億円(2022年3月末現在/基金償却積立金を含む)
従業員数
47,415人(うち営業職員「MYリンクコーディネーター等」36,393人/2022年3月末現在)
事業内容
生命保険の引き受け、および保険料として収受した金銭その他の資産の運用
  • 記載情報は取材時(2022年12月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

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