ANAホールディングス株式会社

36,000名のグローバル・グループタレントマネジメントを実現
ANAグループの人財戦略を担う“ANALOG”の挑戦

  • 人事
写真左より 杉山 信二氏 (全日本空輸株式会社 人事部 ピープルチーム)、谷口 大氏 (同 ビジネスサポート推進部、現ANAウイングス株式会社 総務部総務課 主席/2016年4月より出向)

2013年に持株会社制に移行したANAグループは、「世界のリーディングエアライングループ」を目指し、グローバルな人財活用と積極的な人財育成に取り組んでいます。これらの取り組みを加速させるため、ISIDの統合人事システム「POSITIVE」を使って構築されたのが、新たな人事・給与システム“ANALOG”です。ANAグループ36,000名のタレントマネジメントを実現し、同時に、ANA社員約16,000名分の人事・給与を管理。情報を一元化して“見える化”し、グループタレントマネジメントを実現するための基盤構築に成功しました。

ANAならではのタレントマネジメントシステム

グループ全体の人財情報を多面的に管理・分析する基盤がようやく整いました。
海外も含めた戦略的人財配置・育成に向けて、これから“ANALOG”をフル活用していきます。

杉山 信二氏

“ANALOG”最大の特徴は、グループ36,000名の人財情報を一元的に管理・可視化し、効果的な能力開発計画や要員計画を立案できるタレントマネジメント機能を搭載していることにあります。これにより、人財の分布や管理職の構成といったデータも瞬時に確認・分析することができ、ANAが掲げるグローバルでの人財戦略を、より強力に推し進めることができるようになりました。
旧システムにはなかったタレントマネジメント機能を実現しようと考えたのは、2013年の持株会社化がきっかけでした。新たに「世界のリーディングエアライングループを目指す」という目標が掲げられ、これを達成するには、全グループ会社が連携して人財戦略を推し進めるような画期的な仕組みが欠かせないと考えたのです。

タレントマネジメントと人事の領域でシステム導入に携わった人事部の杉山信二氏は、「ANAグループ全体の人財の見える化に、旧システムでは対応できなかった」と語ります。
「“ANALOG”導入前に使っていたのは、四半世紀前に開発されたシステムです。入力できる情報も限られており、これからのANAに求められる多面的な情報管理や分析ニーズには応えられない状況でした。こうした課題を解決するためにも、グループ約60社の全人財情報を入力・管理し、見える化するタレントマネジメントシステムの構築が急務となっていました。『グローバルな成長に向けて、何としてでも強固な人財基盤を作り上げたい?』そんな決意でプロジェクトをスタートさせました」(杉山氏)

「複雑化しすぎたシステム」を大幅に刷新

従来の給与計算の品質を担保しつつ、さらに発展させるようなシステムを作ることができた。
これ自体が、大きな成果だと思っています。

谷口 大氏

一方、給与システムのプロジェクトリーダーとして活躍したビジネスサポート推進部(当時)の谷口大氏は、「旧システムは複雑になり過ぎて、度重なる制度変更や雇用形態の多様化に対して柔軟性を失ってきていた」と振り返ります。

「ANAの給与データは、複雑かつ膨大なボリュームに及びます。16,000名にも上る社員の職種は、パイロット、CA、地上職など多岐にわたり、それぞれが異なる賃金体系を持っているからです。こうした要件や圧倒的なボリュームに対応するため改修を重ねた結果、ロジックが複雑になりすぎて、熟練の担当者でないと理解できないような運用負荷の高いシステムになっていました。実は過去にもシステム更改を検討したことがあるのですが、複雑すぎるロジックを紐解きながら、すべての機能要件を満たすシステムを構築することは、あまりにも大きな壁でした。しかし、グローバルな事業環境の変化やグループ経営の推進に対応するには、もはや限界。大変なプロジェクトになることは分かっていましたが、意を決して刷新に踏み切ったのです」(谷口氏)

杉山氏が「POSITIVE」に惹かれた理由は、日本企業の要求に応えるタレントマネジメント機能だと言います。
「タレントマネジメントというと、SaaSで手軽に導入できる海外製のシステムもありますが、その分きめ細かいニーズには対応できないことが多い。ANAグループは、60社ものグループ会社があり、人事制度やデータ項目も異なります。こういう点への対応も含めて広くカバーされているのがPOSITIVEの良さだと思います。人事・給与システムと同一基盤で一元管理できることも大きい」(杉山氏)

「私は、数社のシステムを比較検討した結果、企業独自の複雑なニーズへの対応や大規模データ処理という面で、十分な実績を持っているのがPOSITIVEだと感じました。インターフェースも直感的で、『ここにこの計算式を入れればこう動くだろう』という仕組みがイメージしやすかった。標準機能だけではカバーしきれない独自のニーズに、アドオン開発で対応できるISIDの体制も我々にはフィットしました。無理難題とも思える要望に対して、『どうすれば実現できるか』というユーザー目線でとことん前向きに提案してくれたのはISIDだけでした。その姿勢に、『これなら、最後まで一緒にやり切れる』と思ったのです」(谷口氏)

プロジェクトの開始から約3年。何度もミーティングを重ねてANAグループの人財情報基盤として必要な要件を洗い出しながら、同時に1万件以上の人事データを精査し、2,500項目にわたる給与計算関連項目をチェック。こうして、ANAならではのグループタレントマネジメントと人事・給与業務の高度化を同時に実現する新システム“ANALOG”が誕生しました。2016年4月から本格的な運用が始まり、いま、ANAグループの未来を見据えた人財戦略を支えています。

情報の一元化と計算の自動化で業務効率がUP

稼働から約半年。両氏は、その効果を実感していると語ります。「人財活用に必要な情報が即座に確認できるようになりました。例えば『いま女性の管理職が何%いて、どの部署に分布しているか』といったデータがすぐに割り出せるので、レポーティングや意思決定のスピードが格段に速くなっています。タレントマネジメントという面では、今はまだようやく必要なデータが揃ったという段階ですが、後継者管理などの機能もこれからフル活用していきます」(杉山氏)
「先日、システム刷新後初めての定期昇給処理があったのですが、以前は2日間みっちり時間をかけて行っていた作業が、半日で済んでしまった。手入力がほとんどなくなり、本来やらなければならない計算結果のチェック業務などに注力できるようになりました」(谷口氏)

新たな人財情報基盤“ANALOG”を武器に、エアライングループにとって最大の資産である人財を輝かせ、ANAグループはさらなる飛躍を目指し続けます。

2016年12月更新

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社名
ANAホールディングス株式会社
本社
東京都港区東新橋1丁目5番2号 汐留シティセンター
設立
1952年
資本金
3,187億89百万円
売上高
1兆7,911億87百万円(2016年3月期/連結)
従業員数
36,273人(2016年3月31日現在/連結)
事業内容
航空事業、航空関連事業、旅行事業、商社事業 等

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