西本Wismettacホールディングス株式会社

Snowflakeでグループ全体のデータ統合と活用を推進
グローバルでの事業成長を加速

  • データ分析・活用
  • AI
写真左より、Wismettac Asian Foods, Inc. 情報システム部 ビジネスインテリジェンスリード 柴田 健郎氏、Wismettacフーズ株式会社 情報システム部 マネージャー 辻󠄀澤 涼氏

創業1912年の西本Wismettacホールディングス株式会社。海外の日系移民の方々に故郷の味をお届けしたいという想いがきっかけとなって始まった主力のアジア食グローバル事業は、現在、欧米やアジア市場を中心に展開するグローバルビジネスに発展、日本食をはじめとするアジア食の海外卸売で業績を伸ばしています。同社は世界44拠点におよび、2023年にはグループ企業の仕入や販売のデータを統合する環境を構築。データの保存、変換、分析の役割を担うプラットフォームとしてSnowflakeを導入しました。これにより従来拠点ごとに閉じていた事業情報への自在なアクセスが可能となり、さらにさまざまな外部データを参照しつつ販売戦略につなげていく道筋が開けました。この仕組みづくりに力を奮ったのは電通総研のデータマネジメントコンサルティングチーム。 プロジェクトを統括した西本Wismettacホールディングスの事業子会社であるWismettacフーズ株式会社情報システム部マネージャーの辻󠄀澤涼氏は、電通総研について「要望に対する提案がとても早く、データクラウドの知見が非常に豊富」と話しています。「今後もAIの積極的な活用、営業や経営層向けダッシュボードの構築などで力をお借りしたいです」。


見えない事業概況

「現場から経営層までその課題を認識していました」と話す辻󠄀澤氏。その課題とは拠点ごとの事業情報のサイロ化です。

西本Wismettacホールディングス株式会社は世界44拠点で食品系事業を展開する専門商社。これまで北米市場を主軸に業績を伸ばしてきましたが、近年アジアやヨーロッパでの事業拡大が進み、グループ全体の情報を俯瞰するうえで支障が生じはじめていました。

各拠点が独自のシステムでデータ管理することで生じたこのサイロ化(情報の分断)は、将来に向けたさらなる事業成長の足かせとなる課題でした。

「グループ全体のデータを統合するインフラが欠けていた」と辻󠄀澤氏は振り返ります。「営業担当は長年の勘や経験でその不足を補っていましたが、そうした対応にも限界があります。AIを用いた需要予測や業務の自動化といった施策もふくめ、今後成長していくためにはグローバルにデータを見渡し、データに基づく意志決定を支える仕組みが必要でした」。


国境を越えるデータハブ

2023年6月、この課題を解決するため北米グループ会社(Wismettac Asian Foods, Inc.)情報システム部のビジネスインテリジェンスリード柴田健郎氏の協力を仰ぎ、世界44の拠点をつなぐデータハブのプロジェクトを始動させます。

柴田氏もまた、旧来のデータ管理の仕組みに限界を実感していた一人。「われわれがもつデータは北米市場に限られており、各国拠点の仕入れや販売の状況を深掘りして分析するには、国境を越えてさまざまな事業に関するデータを参照できる仕組みが必要でした」。グローバルデータハブが実現すれば、その問題は解消するだろうと柴田氏は考えたのです。


最適なクラウドプラットフォーム

データハブのプラットフォームとして目を向けたのは米国Snowflake社の提供するデータクラウドSnowflake。独自のアーキテクチャによる多種多様・大量データの高速処理、SaaS型・従量課金型の経済性、社内外とのセキュアなデータ共有といった特長を備え、ビジネス部門間や企業間のコラボレーションに強みを発揮します。

「他にも業界で有力とされる製品を検討しましたが、結論としてSnowflakeを選択しました」と話す辻󠄀澤氏。「Snowflakeは社内のさまざまなツールとネイティブに連携できます。拡張性にも優れ、データを保管するストレージの利用量とデータを処理するコンピュートの利用サイズに応じて使った分だけが消費される課金体系やレコードレベル/項目レベルでの権限設定ができるきめ細かなセキュリティ管理機能が魅力です」。

それに加えて柴田氏は、マーケティングから金融、経済、天気や人口統計まで多彩な外部データを提供するMarketplace(マーケットプレイス)の存在やELT(Extract/Load/Transform)の仕組みをメリットに挙げます。「気候情報や為替の変動などの外部データと売上げとの相関関係を見つけ出せれば営業戦略の強化につながります。また、多様なシステムからオリジナルデータを抽出して、必要時に変換して分析に用いるELTの仕組みは迅速で柔軟なデータ活用につながります」。


実績あるサポート、すばやい立ち上げ

電通総研チームはSnowflake環境構築の実証済みテンプレートを持っているので、プロジェクトが非常に円滑に進みました

Wismettacフーズ株式会社
情報システム部マネージャー
辻󠄀澤涼氏

2023年9月、日本、北米、ヨーロッパの6拠点のデータを統合するSnowflake PoCを実施。その結果「大きなポテンシャルを感じた」と柴田氏は語ります。「各拠点のデータサンプルを収集し、パフォーマンスに問題がないか、それらが統合されているか、Marketplaceの外部データが実際に利用可能かを実践的に検証しました」。

この支援のために招集されたのは、電通総研のデータマネジメントコンサルティングチーム。同チームはクラウドデータプラットフォームの環境構築に長年の実績があり、多くの国内企業にデータ活用のコンサルティング、レポート・ダッシュボード開発、AI・機械学習ツール連携といったサービスを提供しています。

その仕事ぶりについて辻󠄀澤氏は「要望に対し提案が早く、データマネジメントの知見が豊富」と話します。「今回の環境にはマイクロソフトのAzure Data Lake StorageやAzure Data Factoryが組み込まれていますが、電通総研は、Snowflakeを用いたデータ分析基盤を素早く高品質に構築することが可能な独自のフレームワークを持っていたので、プロジェクトが非常に円滑に進みました。オリジナルデータの変換やBIツールへの連携といったところでも知恵をお借りしています」。


事業成長の新たなエンジン

全世界の拠点のビジネスデータを俯瞰できるこの仕組みは、今後の事業成長の力強いエンジンとなってくれるでしょう

Wismettac Asian Foods, Inc
情報システム部ビジネスインテリジェンスリード
柴田健郎氏

プロジェクトの具体的成果について辻󠄀澤氏は「まだ途上の段階」と前置きしながら「これまでは様々な場所に保管された粒度の異なるデータを各人がそれぞれ集計していましたが、一つのプラットフォーム上にデータが一元化されたため、データの収集や分析の負荷が軽減できました。今後は、事業や国を超えた組織横断のデータ分析に基づき、グループ全体の視点で必要な施策を検討できるようになることを期待しています。また、内部統制の観点では、AIを用いた異常検知により、これまで数時間を要していた2重払いのチェックが瞬時に終わるようになりました」と話しています。
今後は機械学習やAI活用などに特化しているSnowflake Cortex(スノーフレイク・コーテックス)を用いた自然言語によるデータ分析や数万件におよぶ商品データの一括多言語翻訳などに取り組んでいく予定です。「データドリブンな企業文化を育てていくためにも、今回構築した環境のメリットを現場や経営層に広めていきたい」と辻󠄀澤氏は話しています。

柴田氏もまた「今回構築した仕組みは、これからの事業成長の力強いエンジンとなってくれるはず」と話します。「この仕組みを今後さらに進化させていくうえでも、電通総研チームのサポートに期待しています」。

西本Wismettacホールディングス株式会社 会社概要新しいウィンドウで開きます

社名:
西本Wismettacホールディングス株式会社
本社:
東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 日本橋室町三井タワー15階
創業:
1912年5月
資本金:
2,646,177,532円
従業員数:
2,176名 (2023年12月31日時点)
事業内容:
アジア食品の開発および海外販売(アジア食グローバル事業)
青果物全般の輸入販売、食品メーカー並びに外食産業向けの食材の供給(アグリ事業)
その他国内向け販売(アメニティ商品、サプリメント、メディカルフード等)
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  • 記載情報は取材時(2024年9月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。

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