株式会社ジンズ
「いかにJINSファンを増やしていくか」
LINEとLookerで実現するデータドリブン・マーケティング
LINEとLookerで実現するデータドリブン・マーケティング
- 顧客接点改革
国内メガネ業界において年間販売本数トップ、アジアや米国にも事業展開する株式会社ジンズ(以下JINS)。同社はアプリやSNSを通じたオンラインマーケティングの積極的な取り組みでも知られています。
2020年、JINSはISIDの支援により、Google Cloudが提供する次世代型BIツールLookerを導入しました。このLookerの分析結果をLINEに繋げ、顧客データの分析に基づく “データドリブン・マーケティング”を実践。新店のプロモーション施策として、店舗での購買情報やオンラインストアの登録情報を元にスロット式クーポンを配信したり、LINE広告出稿時にLINE公式アカウントへの友達登録の情報から関心のありそうなユーザーを絞り込むなど、販促活動の精度向上に力を発揮しています。
JINS CXマネジメント部で顧客向けオンラインサービスを企画している濱田卓男氏は、LookerとLINEを繋げた“データドリブン・マーケティング”について「Lookerは生データを簡単に見える化してくれるので、販売の次の施策や展開を考える上で非常に有効です。さらにLINEと組み合わせることで、ターゲットとする顧客に適切なメッセージを送ることが可能で、販売施策を実施する上で大きな戦力になっています」と話しています。
主軸タッチポイントはLINE
「LINEはほぼすべてのお客様のスマホに入っている重要なマーケティング媒体」と話すのはJINSで顧客向けオンラインサービスを企画するCXマネジメント部の濱田卓男氏。「この媒体を活用して、いかにJINSファンを増やしていくかということを日々考えています」
LINEは月間8,800万人のアクティブユーザーが利用する国内最大のソーシャルメディア。JINSのLINE公式アカウントにも約270万人の友だち登録があり、同社では店舗やオンラインショップの登録会員およそ800万人と併せて、様々な販売施策を展開しています。
「LINE公式アカウントでは、開設から今まで、ばらまき型の施策で友だち登録を増やすようなことはほとんどしておらず、かなりロイヤルティの高いお客様が集まってきてくれていると感じています」と濱田氏は話します。
効果的な新店プロモーション
ISIDには絶大の信頼を置いています。常に私たちの課題を深く理解し、それに対する実践的な提案がいくつも用意されています
コミュニケーション本部 CXマネジメント部 セールスプランナー 濱田卓男氏
JINS店舗営業本部の店舗販促グループで販促を推進する真崎勇人氏は、新店をオープンする際のプロモーション施策にLINEを活用できないかと考えていたといいます。
「新しい場所に新店をオープンする際、新規のお客様が多く来店してくれます。その方たちに、いち早くJINSファンになっていただくにはどうすればいいか。LINEには多く友だち登録者がいるものの、やみくもにクーポンなどのキャンペーンメッセージを配信しても、ブロックされてしまうリスクもある。効果的に打ち出すにはどうすればいいか頭を悩ませていました」
そんなとき長年JINSの認証基盤構築やCRM連携をサポートしてきたISIDから提案を受けます。Google Cloudが提供するLookerを活用し、店舗での購買情報やオンラインストアの登録情報、LINE公式アカウントでのアクションデータ等を紐解き、その分析結果をLINEでのメッセージ配信や広告配信などに生かすことで、プロモーションの効果を最大化することができるというのです。
Lookerは、クラウドやオンプレミスにおかれた多種多様なデータベースを参照・統合できるデータ分析プラットフォームです。高い操作性と柔軟な拡張性を兼ね備え、一般のビジネスユーザーから高度な分析スキルを有するデータアナリストまでそれぞれの用途・スキルに応じてデータを活用できます。また、Lookerにはアクションと呼ばれる外部アプリケーションとの連携機能があり、分析した結果の活用を促進することが可能です。
この提案に魅力を感じた真崎氏はLookerの導入を決断。早速LookerとLINEを活用した新店のプロモーション施策を展開します。
「Looker上で、CRMに入っている顧客情報や購買履歴、LINE公式アカウントの友だち情報を統合し、配信先をセグメント化。絞り込んだ対象をLINEに連携し、その対象に向けてスロットの結果に応じたクーポンを配布するキャンペーンを実施しました。配信先を細かく分けることができるので、コストを抑えながら高い効果を得ることができます。さらに、プロモーション施策実施後も、スロットを回した数や、会員獲得数、クーポンの利用数まで細かくトラッキングができるので、顧客ロイヤルティ向上に大きく貢献しています」(真崎氏)
濱田氏はISIDの対応についても次のように評価します。「Lookerの導入だけでなく、キャンペーンの企画から、顧客ターゲティング、告知、実行まで私たちをリードしてくれました。特にキャンペーンの企画から実施まで、かなりタイトなスケジュールだったのですが、ISIDはその短期間の間に提案ベースでプロジェクトを進めてくれたので、新店の準備に追われている状況でもスムーズに進めることができ、感謝しています」
最適なターゲティング、手軽な実績評価
濱田氏は、LookerとLINEを活用することで、適切な販促メッセージを適切な対象に配信することはもとより、簡単な操作で“リターゲティング(公式アカウントの配信に興味・関心を持った消費者に再度訴求を行うこと)”や“デリターゲティング(関心がない消費者を訴求対象から外すこと)”が可能なことも今回の仕組みのメリットと話します。
「2020年に立ち上げた、JINSアプリやLINE公式アカウントからの注文を可能とする“CLICK&GO”は、新しいサービスのため追いかけるデータが定まっておらず、その都度手作業で加工していたのですが、Lookerを活用することで、簡単に分析軸や期間を切り替え、結果を確認することができるようになりました。施策の実施から効果検証までの作業負荷が大幅に軽減でき、次のプロモーションの配信先も簡単に切り替えることができるので、更なる効果を期待しています」
同社が2021年2月から積極的に活用しているLINE広告の配信にも、Lookerが効果を発揮しています。
「LINE広告ではLINE公式アカウントの友だちだけでなく、LINEユーザー全体を対象に告知できるのがメリットです。しかし、無関心層に告知しても意味がない。Looker上でCRMやLINE公式アカウントのデータから購買行動の傾向を分析し、その結果をもとにLINE広告の配信を行うことで、関心のありそうな対象に向けて広告を打つことができます。実際、LINE広告で新たなプロモーションを展開したところ、従来の広告媒体と比較しても非常に良好な結果が得られています」(真崎氏)
成長の鍵としてのデータ活用
世の中のあらゆるものがオンライン化されていくなか、LookerとLINEの重要性はますます高まっていきます
店舗営業本部 店舗販促グループ 真崎勇人氏
Lookerは新製品や新店舗のプロモーションのほか、LINE公式アカウントをブロックする傾向のユーザー分析などにも活用され、JINSのマーケティング活動の精度向上に広く貢献しています。
「世の中のあらゆるものがオンライン化されていくなか、LookerとLINEの重要性はますます高まっていきます」と真崎氏は話します。
「小売業では今後さらにOMO(オンライン、オフラインを融合させた消費体験を届けるマーケティング手法)の流れが強まっていく。メガネ業界ではJINSがデータドリブン・マーケティングの先頭を走っていきたいですね」
最後に濱田氏はISIDについてこう話しました。「ISIDは常に私たちの課題を深く理解し、先回りして新たな施策を提案してくれます。その施策も実践的なものが多く、すぐにどうやればできるか提示してくれるので、絶大の信頼を置いています」
2021年7月更新
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※記載情報は取材時(2021年4月)におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。
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