データレイクハウスネイティブCDP「DendroBium(デンドロビウム)」

  • 顧客接点改革
  • データ分析・活用
  • AI
  • クラウド

DendroBiumとは

DendroBiumは、電通総研が長年にわたり顧客企業へ提供してきたマーケティング基盤やCDP(Customer Data Platform)構築の実績に、高度なWebアプリ・マイクロサービス実装力と深いマーケティング知見を融合させて生まれた、データレイクハウスネイティブCDP構築サービスです。
レイクハウスアーキテクチャにより、データレイクの持つ柔軟性、経済性、スケーラビリティといった利点と、データウェアハウス(DWH)が持つ信頼性の高いデータ管理(ACIDトランザクションなど)を両立させています。
このオープンかつ高性能な統合データ基盤の上にCDPを構築することで、構造化データから非構造化データまであらゆるデータのサイロ化を解消し、従来のBIやSQL分析に加え、AIやデータサイエンス、生成AIを含むあらゆる高度な分析ワークロードを単一のプラットフォームで実現します。
データレイクハウスを基盤とした各企業に最適化されたコンポーザブルCDPとして、次世代のデータアクティベーションをリアルタイムかつオムニチャネルで実現します。さらにダッシュボードで事業や顧客の理解を深めるとともに、人格と知識を設定された複数のAIが利用者に寄り添い多角的な示唆を出すインテリジェンスを通じてビジネス価値を創出します。

DendroBiumのコンセプト図

DendroBiumの特長

より広義な「コンポーザブルCDP」

DendroBiumは、既成のCDPやMAツールが抱える課題(性能劣化・コスト高騰、低い業務適合性)を解決するため、企業独自のニーズに完全にフィットする「コンポーザブルCDP」として以下の特長を持ちます。

  • 1.
    企業のデータ資産を核とするアーキテクチャ
    堅牢なデータレイクハウスを、「企業のデータ資産の唯一の真実の源泉(Single Source of Truth)」として中心に配置します。すべてのデータとAIモデルをここに集約・管理することで、データが特定のベンダーの独自形式にロックインされることを回避し、企業がデータ主権を確保することを支援します。
  • 2.
    最適な機能(ベストオブブリード)の組み合わせ
    データレイクハウスを基盤とし、データ連携、施策のアクティベーション、業務アプリケーションといった各領域で、市場で最も優れた機能(ベストオブブリード)をモジュールとして柔軟に組み合わせます。これにより、企業の事業フェーズや目的に合わせて、最適なデータ活用基盤を構築・拡張できます。
  • 3.
    ビジネスへの完全な適合(Enterprise-tailored)
    汎用的なツールでは満たせない企業固有の複雑な業務要件やビジネスロジックに対しては、カスタムアプリケーション開発で対応します。現場の業務に完全に適合したUI/UXを提供することで、データ活用の生産性を飛躍的に向上させます。
  • 4.
    事業の成長に追随する拡張性
    ビジネスの成長や市場の変化に応じて、機能の追加・変更・削除が容易であるため、基盤を常に最適な状態に維持し、将来にわたって競争優位性を確保します。

データから洞察とアクションを生み出す「AI/BI統合ダッシュボード」

DendroBiumは、単なるデータの可視化に留まらず、AIを活用して深い洞察(インサイト)を生み出し、アクションへとシームレスに繋げる機能を提供します。

  • 1.
    現状把握(What):ビジネスの「今」を正確に捉える
    企業のビジネスゴールに完全に最適化されたKGI/KPIを、常に最新の状態で定点観測できるダッシュボード環境を構築します。これにより、マーケティング活動の成果や顧客の動向といった「何が起きているか」を、関係者全員がリアルタイムで正確に把握できます。
  • 2.
    要因分析(Why):AIが定量・定性データから「なぜ」を解き明かす
    数値の変化に対し、従来の手法(ドリルダウンやOLAP分析)で深掘りするだけでなく、AIがその背景にある「なぜ」を解き明かします。外部データ(Google Analytics等)やアップロードされた社内ドキュメント、ドメイン知識を学習したAIエージェントが多角的に分析し、定量データだけでは見えない顧客のインサイトや市場の変化に関する深い洞察を提供します。
  • 3.
    施策連携(Next Action):洞察をシームレスに次の一手へ
    分析によって特定されたターゲットオーディエンス(例:「購入可能性の高い顧客セグメント」「解約の兆候がある顧客リスト」)は、ボタン一つでUnity Catalogのマネージドテーブルに書き出されます。これにより、分析結果をMAツールや広告配信プラットフォームへ即座に連携し、タイムリーで効果的なマーケティング施策の実行へとシームレスに繋げることが可能です。

役割を持った複数のAIによる多視点分析

DendroBiumは、高度なAIエージェントの技術を活用し、設定した「人格」と「知識」に基づいてデータを分析させ、画一的ではない多角的なインサイトを提供することで、組織全体の顧客理解と迅速な意思決定を高度化します。

  • 1.
    役割の選択機能による多視点分析
    AIエージェントに「経営思想家」「マーケター」「データサイエンティスト」「アナリスト」の4つの人格を持たせることが可能であり、その役割の思考に沿ってデータを分析させることができます。これにより、利用者が求める特定の視点から、適切な示唆やアドバイスを提供し、データ活用の高度化と迅速な意思決定を支援します。
    AIエージェント 人格設定 重点

    経営思想家AI

    マーケティング戦略の体系化とマネジメントに強み

    戦略的ポジショニング

    マーケターAI

    ブランド成長の科学的法則に強み

    新規顧客獲得

    データサイエンティストAI

    データサイエンスとAIを活用した意思決定に強み

    データに基づく意思決定の最適化

    アナリストAI

    顧客生涯価値に基づく顧客資産の評価に強み

    顧客維持・育成

  • 2.
    知識補強による分析の深化(RAG/ドキュメント分析)
    AIエージェントは、企業がアップロードしたデータ(公開情報、社内文書、議事録など)を補足情報として取り込み、ドメイン知識として学習します。これにより、データ分析の結果に対し、社内の文脈や戦略に基づいた知識を加えて解釈し、「なぜ」が起きたのか、そして「何をすべきか」について、データに基づく多角的な示唆を提供します。

ユースケース

【新規顧客獲得】高精度なターゲティングによる広告効果の最大化

プロセス:優良顧客の特定と類似オーディエンスの抽出
ダッシュボードで現状(何が起きているか)を把握し、顧客生涯価値(CLV)が高い優良顧客層を特定します。次に、DendroBiumのAIアシスタント『アナリストAI』が、「なぜその顧客が優良なのか」という共通の特徴を深く分析し、高確度の「類似オーディエンス」候補を抽出します。

AIによる複合的な視点と意思決定の支援

  • 『データサイエンティストAI』がROAS最大化の観点から有効性を検証
  • 『マーケターAI』が長期的な市場浸透の重要性を助言

これらの短期的な獲得効率と長期的なブランド成長という複合的な視点に基づき、カスタムオーディエンスを広告プラットフォームに連携。広告費用対効果(ROAS)を最大化します。

【既存顧客の維持】解約抑止とCLVの最大化

プロセス:解約兆候の検出とリスクの可視化
ダッシュボードで解約率やCLVといった重要指標を定点観測し、現状(何が起きているか)を把握します。同時に、『アナリストAI』が、Webアクセスログやサポート履歴など多様なデータを分析し、「なぜ解約の兆候があるのか」というインサイトと共に、顧客ごとの「解約予測スコア」を提供します。

データ駆動の施策実行による顧客資産の維持
このスコアと、『経営思想家AI』が提示するCRMの定石に基づき、リスクの高い顧客セグメントを特定。MAツール経由で特別なオファーを送るなど、データに裏付けられた意思決定によって顧客資産の最大化を実現します。

【インサイト獲得】AIペルソナ分析による施策立案の高度化

プロセス:想定外の事象発見とAIによる要因分析
ダッシュボードで「特定の製品が想定外の顧客層に売れている」という事象(何が起きているか)を発見します。『経営思想家AI』は、その顧客群のデータを分析し、要因(なぜ起きているか)を解明。マーケターが直感的に理解できる詳細な「AIペルソナ」を生成します。

ペルソナの価値評価と施策の最適化
『アナリストAI』がそのペルソナの将来価値を評価し、「どのような顧客か」という深い理解と「投資価値は高いか」という評価をインプットとして、より心に響く効果的なマーケティング施策を立案し、「次のアクション」に繋げることができます。

お問い合わせ先

株式会社電通総研
営業統括本部 営業第二本部 エンタープライズ営業第2ユニット 和田、坂本、渡邉
E-Mail:g-mit_solution_sales@group.dentsusoken.com

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