地域とともに作り上げる、電通総研の社会貢献活動。
福井県越前市で「TECH KNOCK 2026 in 越前」を開催
テクノロジーの体験やワークショップを通じ、子どもたちとともに地域の未来を考える電通総研グループの社会貢献活動「TECH KNOCK(テックノック)」。
電通総研の50周年記念事業としてスタートした本取り組みは、2年目を迎え、グループ全体での社会貢献活動として新たな一歩を踏み出しました。
2026年の開催地となったのは、美しい自然と数々の伝統工芸で知られる福井県越前市。 福井県内を南北に結ぶハピラインふくいの武生駅に降り立つと、目と鼻の先に令和2年1月にオープンした越前市役所が見えてきます。市民の皆様にも馴染み深いこの市役所庁舎が、今回の「TECH KNOCK 2026 in 越前」の舞台です。
館内では、電通総研グループのスタッフをはじめ、運営パートナーである株式会社エデュソルや越前市役所の皆さんが、来場者を迎える準備を着々と進めていました。
本レポートでは、電通総研が地域とともに作り上げる社会貢献活動「TECH KNOCK 2026 in 越前」の様子をお届けします。
2年目を迎えたTECH KNOCK
TECH KNOCKは、電通総研グループが取り組む社会貢献活動の一つです。収益を目的とするものではなく、事業活動とは異なるアプローチで社会に価値を還元することを目的としています。
本イベントの統括を務める電通総研の田中有希は、「2年目を迎えた今回は、継続可能な社会貢献活動として育てていくための仕組みづくりに取り組みました。社員公募を通じて活動の輪を広げるとともに、電通総研グループ全体での取り組みへと発展させたことで、参加者やコンテンツのバリエーションも大きく広がっています」と語ります。
電通総研はこれまで、福井県全域で活用されている地域共創スーパーアプリ「ふくアプリ」の企画段階から参画し、システム開発・運営を通じた地域のDX支援に携わってきました。
こうした地域社会との深い関係性とデジタル技術による地域共創の取り組みが実を結び、2026年の「TECH KNOCK」は福井県越前市での開催が決定。越前市役所のほか、パートナー企業として株式会社エデュソル、株式会社ふくいのデジタルと、電通総研グループ各社とともに、入念な準備を進めてきました。
着々と準備が進む会場を前に、越前市のDX施策を推進する総合政策部 デジタル政策課 課長の畠山和士氏は、「参加した子どもたちが体験を通じてテクノロジーに興味を持ち、将来的に越前市のDXや地域社会に貢献する人材へと育ってほしい」と、イベントを通じた人材育成に期待を寄せます。
主に広報・集客面で運営を支えた、ふくいのデジタル代表取締役社長の細川達矢氏も、イベントを通じた子どもたちの成長に強い期待を寄せます。
「一回限りの体験で終わらせず、テクノロジーを通じて『自分たちの街をどう良くするか』を考え続け、将来的に地域へ還元できる大人に育ってほしいという想いがあります」
TECH KNOCKのコンテンツは、大きく2つのパートで構成されています。
一つは、子どもたちが街の未来像を描く「未来創造ワークショップ」。もう一つは、最先端の技術に触れられる「テクノロジー体験コーナー」です。
イベント当日の開場時刻を迎えると、テクノロジー体験コーナーは早くも多くの来場者で賑わいを見せ始めました。会場内には多様なテクノロジーを体験できるブースが所狭しと並び、訪れた人々の関心を集めています。
なかでも、エリアの入口付近でひときわ目を引いていたのが、電通総研が開発したスポーツ適性診断システム「DigSports」です。これは、AIが参加者の運動中の動きをリアルタイムで解析し、適したスポーツを診断するもの。
参加者は正面の大型スクリーンに映し出される自分のフォームを確認しながら、真剣かつ楽しそうに体を動かしており、精度の高い診断結果を目指して何度もチャレンジする熱気に包まれていました。
その隣に展示されたのは、昨年に引き続き出展となった「ロボッチャ®」のブースです。ロボッチャ®は、パラスポーツの「ボッチャ」と「ロボット・プログラミング」を掛け合わせ、プログラミングやテクノロジーの仕組みを楽しく学べるコンテンツで、エデュソルが開発を手がけています。 会場には、迫力ある1/3サイズの大型コートとロボットが登場。ボールのダイナミックな軌道やリアルな動きを目の当たりにしながら、参加者が熱中して競技に挑む空間が作られていました。
また、同じくエデュソルが今回新たに展開した未来の街をレゴ®ブロックで作るコーナーも、絶えず来場客が訪れる人気エリアとなりました。参加した子どもたちは「未来の越前市がこうなってほしい」という自由な発想や願いを込めながらパーツを組み立て、テーブルの上には彩り豊かなレゴ®ブロックの街並みが広がっていきました。
今回の出展における進化や狙いについて、エデュソル代表取締役の岡本弘毅氏は次のように語ります。
「2年目のチャレンジとして競技スケールを大きくした背景には、迫力ある体験を通して『理論通りにいかないものづくりの面白さ』を実感してほしいという想いがあります。また、レゴ®ブロックによる街づくりでは想像を形にする力を育みます。こうした体験が、子どもたちにとってテクノロジーやものづくりへの興味を深めるきっかけになれば嬉しいですね」
ホールの外周エリアへと足を進めると、日差しが届く開放的なフロアに多彩な体験ブースが続いています。
その一角では、電通総研テクノロジーが出展した「3Dスキャン体験」が行われており、大きなスキャナーを手に持った子どもたちが夢中で機械をかざしていました。
3Dソリューションの導入支援等を担当する同社の柳澤良尚は、「写真などの平面的な情報だけで終わらせず、『見えない後ろ側はどう構造化されているのか』という探究心を持ってほしいという想いから出展しました」と、体験に込めた意図を語りました。
その隣に出展されたのは、電通総研が開発したエンタープライズ向けメタバースソリューション「CoVR」の体験ブースです。遠隔地から同一のVR空間に参加してコミュニケーションが取れるこのシステムを、今回は4台のヘッドセットを用意し、最大4名が同時に体験できる形で提供しました。
一般的にVR体験はヘッドセットで外界と遮断されるため、参加者が静かに没入することが多い傾向にあります。しかし、越前市の皆さんは声を出したり身体を動かしたりと豊かなリアクションで楽しんでおり、ブースを担当した開発者も「直接ユーザーの弾けたリアクションを見ることができ、手ごたえと嬉しさを感じました」と語っていました。
今回の「TECH KNOCK 2026 in 越前」では、越前市による「ドローン操縦体験」が初出展されました。
操縦は初めてという参加者が大半でしたが、子どもたちはすぐにコツを掴み、狙った場所に見事着地させるなど、夢中になって操縦を楽しんでいました。
市のDX推進や技術活用を担う、越前市 総合政策部 デジタル政策課 DX推進グループの仲野弘修氏は、出展の狙いを次のように語ります。
「子どもたちにとってまだ遠い存在である先進技術に直接触れ、身近に感じてほしい。そして実際の操作体験を通して、その背景にあるプログラミング技術の一端に興味を持つきっかけになればと考えています」
街の未来を、子どもたちの感性で発想
越前市役所内の趣ある和室で開催されたワークショップには、市内の小学5年生から中学3年生までの12名が参加しました。
参加者は越前市の現状や最先端テクノロジーについての講義・体験を経たのち、AIで再現された越前市民(AIペルソナ)の課題をテクノロジーでどう解決するかというテーマに挑みました。
ワークショップはグループワーク形式で進行。子どもたちはAIペルソナへのインタビューで悩みを聞き出し、直前に学んだテクノロジーの知識を掛け合わせてアイデアを練り上げていきました。
各グループには電通総研から福井県出身の若手社員がメンターとして伴走し、発想を広げるためのサポートを実施。さらに他メンバーも積極的に議論へ加わり、大人が手厚くサポートする姿が強く印象に残る場となりました。見学に訪れた越前市役所の職員も、「子どもの人数に対して大人のサポートが非常に手厚く、驚きました」と感銘を受けた様子で語っていました。
子どもたちは自分たちの街の未来を見据え、「テクノロジーで利用者が自力移動できる、相棒のようなモビリティ」や「カフェを開きたい越前市民へ、テクノロジー活用で開店・運営ノウハウを提供する仕組み」といった、柔軟で感性溢れるアイデアを発表しました。
各チームの発表には越前市の平林透市長も耳を傾け、「どのグループも大変レベルが高い」と感心した様子で講評を述べました。参加した中学生からは、「さまざまな困りごとを最新技術で解決できると知り、自分でも他の解決策を考えてみたくなった」といった声が上がりました。
子どもたちが楽しみながらAIペルソナの課題に向き合い、テクノロジーを組み合わせた具体的なアイデアへと昇華させていく姿が、非常に印象的なワークショップとなりました。
社会貢献活動「TECH KNOCK」のこれから
私たちは、より多くの子どもたちが地域課題を自分ごととして考えられるよう、TECH KNOCKを全国に拡大していく方針です。子どもたちが未来の扉をたたくこの活動を、より長く、より広く、社会に貢献できるよう育てていきたいと考えています。
参加した市民の皆様にとっても、テクノロジーが地域の未来や課題を解決する一つの選択肢となり得る——そうした無限の可能性を実感していただける一日となりました。
お問い合わせ先
株式会社電通総研
経営戦略室 コーポレートガバナンス部 サステナビリティ推進グループ
E-Mail:g-sustainability@group.dentsusoken.com