株式会社ヨークベニマル様
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シェアードシステムに対応できる業務統合システムを構築し、
業務コストやシステム運用コストの圧縮を実現
株式会社ヨークベニマル(以下、ヨークベニマル)様は、南東北・北関東エリアで177店舗(2012年4月現在)を展開している食品スーパーです。接客サービスや徹底した衛生管理、鮮度と味の追求など、基本事項のレベル向上に取り組むと同時に、一定の地域に多店舗展開しているメリットと、セブン&アイ・ホールディングスの情報力という、2つの優位性を活かした店舗フォーマット作りを進めています。同社ではスーパーマーケット事業の強化に向け、同グループ3社の管理本部機能をヨークベニマル内に集約し、シェアードサービス化。人事給与シェアードサービスの基盤システムとして「POSITIVE」を導入し、業務効率化を実現しました。
業種 | 食品スーパー |
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導入パッケージ | POSITIVE (統合HCMソリューション) |
導入背景
シェアードサービス化に対応できるシステムが必要に
ヨークベニマル様では、セブン&アイ・ホールディングスの事業戦略として、スーパーマーケット事業の強化を目的とした業務統合を実施するため、子会社であるライフフーズ様、同グループで首都圏を中心に店舗展開しているヨークマート様の管理本部機能を、自社で一本化することになりました。そして、その管理業務についてシェアードサービス化することになったのですが、その際の要件として、解決すべきいくつかの課題があった、と企画財務室 総括マネジャー 一ノ瀬貴義氏は話します。
就業管理業務については3社とも同じシステムを利用していましたが、人事・給与管理業務については、各社が自社構築したシステムやセブン&アイグループのシステムを利用していました。そして、運用方法も自社で運用したりアウトソースしたりと、三者三様の管理をしていたという実態がありました。また、3社にはシルバー人材・主婦アルバイト・学生アルバイトなど多様な働き方が存在し、それぞれの構成比率も異なることから、給与計算などの事務作業の負荷が高まっていました。
また、ヨークベニマル様がこれまでライフフーズ様と一緒に使っていた給与計算システムは、老朽化もあって処理速度が遅く、2社分の約2万2,000人の給与計算に14〜15時間かかっていました。そのため、「夕方に処理を回して結果が出るのが翌朝8〜9時という感じで、ほとんど一発勝負だった」といいます。そこで、同社はこうした課題を解決するための、新システムのあるべき姿について検討を進めていきました。
選定のポイント
必要な機能、処理能力、利便性を有していたことから「POSITIVE」を選定
自社内のシステムでの構築、信頼できるベンダーへのアウトソーシング、ASPサービスの利用という選択肢がある中で、運用コストの視点から自社内システムの構築を採択したヨークベニマル様。10社前後のベンダーにRFPを配布し、募った提案を吟味した結果、電通国際情報サービス(以下ISID)の「POSITIVE」を選定しました。
選定に当たって重視したポイントについて、一ノ瀬氏は次のように振り返ります。まず、シェアードサービスの基盤として多くの実績があり、複数法人を統合管理できるマルチカンパニー機能を『POSITIVE』がもともと有していたこと。これは大きな決め手になりました。次に、対象従業員数がヨークマート様も入れて3万3,000人になったときにも高速給与計算が可能なこと。14〜15時間かかっていた給与計算処理が、事前の試算では15〜20分程度にまで短縮できることで、一発勝負だったところが何度もやり直しができるようになりました。また、既存就業システムとのスムーズな連携が可能なことも重視していましたが、『POSITIVE』は人事、給与、就業といった各システムを任意に選択して導入できるパッケージで、他システムとの連携実績が豊富にあると聞き、それならばスムーズに連携できるだろうと考えました。
稼働までのプロセス
責任者の参画により、迅速でスムーズなプロジェクトの進行を実現
導入体制に関しては、ヨークベニマル様がライフフーズ様、ヨークマート様を含めたスーパーマーケットセクター側の取りまとめを行い、ベンダー側は大手SIerとISIDの混成体制(チーム)でプロジェクトを推進しました。しかし、スーパーマーケットセクター側では、新システムに対して3社それぞれに要望があり、それをうまく取りまとめてシステムへ落とし込む作業には、膨大な負荷がかかることが予想されました。そうした問題を回避し、プロジェクトを成功へと導くためのキーポイントとなったのが、要件定義への責任者の参画だった、と一ノ瀬氏は振り返ります。
3社の業務がバラバラでは意味がなく、業務統合は必須だと考えていました。そこで、即決即断できる人事の責任者を、導入体制の中に参画させました。おかげで、迅速な意思決定やスムーズなプロジェクト進行が可能になりました。
また、導入スケジュールについては、2段階のリリースを実施。福島県郡山地区では2010年6月、東京地区では2010年9月と3カ月の期間を空けてリリースを行いました。稼働までトータル19カ月の導入プロジェクトとなりましたが、「かなり短時間で実現できた」という感想を一ノ瀬氏にお持ちいただいているようです。
導入システムイメージ
「POSITIVE」を設置したシェアードサービスの部署で業務を一括運用
今回ヨークベニマル様では、新システムの構築と同時に、ヨークベニマル事務センターという呼称で、シェアードサービスの部署を設置。「POSITIVE」を設置し3社における人事・給与の業務を、外部機関への対応も含め一括で運用しています。
導入後の効果
シェアードサービス対応のシステムに統合し、業務コストやシステム運用コストの圧縮を実現
今回「POSITIVE」パッケージソフトの基本機能を軸にシステムを設計したことで、各社の個別要件を取り込みつつ、事務センターにおける業務の一括運用を実現できました。また、「POSITIVE」の柔軟なパラメータ設定のおかげで、さまざまな給与体系に適応できるため、スーパーマーケットセクターでは日常的に発生する、短期から長期へ、時給から月給へなどの従業員の身分変更時にも容易に対応できるようになりました。
さらに「POSITIVE」の高速給与計算とチェック機能により、給料日前日に慌てることなく、余裕を持って給与業務処理ができるようになったことも、大きな効果の1つです。
『POSITIVE』のおかげで、スーパーマーケットセクターの事業戦略に対応したシステムを無事に構築することができました
と、笑顔で語る一ノ瀬氏。ヨークベニマル様が当初の目的として掲げていた、管理業務システムの統合による業務コストやシステム運用コストの圧縮も、実現することができました。
今後の展開
震災の経験を活かし、被災時にも業務を継続できる仕組みを準備
今後の展開を決める上で、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、ヨークベニマル様にとって大きな転機となりました。177店舗のうち、108店舗のシステムが障害により停止するなど、甚大な打撃を受けました。しかし、それでも地域社会への貢献のため、一刻も早い復旧に向けて全力で取り組みました。
ヨークベニマル様の人事方針としても、従業員の生活を守るため給与支給が重要な要素と判断。関東圏のヨークマート様の給与計算も、ヨークベニマル様側で行っていたこともあり、2011年3月25日には期日通り給料を支払うことにしました。この方針の遵守に向けて、ISIDもサポートを実施。4月3日にはまだ放射能の影響が不明な中、ISID担当者が現地入りしてサポートに当たり、従業員の給与を支給する仕組みを守りました。
ヨークベニマル様では、この経験を無駄にしないよう、震災と同程度の大災害を想定して、東北圏と関東圏のどちらが被災しても業務を継続できるような仕組みを準備しています。
株式会社ヨークベニマル様
ヨークベニマル様は福島県を中心に宮城県、山形県、栃木県、茨城県の5県に広く店舗展開をし、生鮮食品をはじめとする、食料品ならびに日用雑貨、家庭用品などの住居関連商品や衣料品の販売を行っているスーパーマーケットです。セブン&アイ・ホールディングスの一員として、その情報力や商品力を活かしながら、お客さまの立場に立った商品開発やサービスに努めています。
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商号株式会社ヨークベニマル
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本社福島県郡山市朝日2-18-2
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設立1947(昭和22)年6月12日
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資本金99億2,700万円
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従業員数12,660名(正社員2,495名、パート社員10,165名)<2012年2月末現在>
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